令和3年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問11を解説|石綿濃度測定の器具
令和3年度 ばいじん・粉じん特論 問11は、平成元年環境庁告示第93号に基づく石綿濃度の測定で用いる装置・器具・試薬に関する正誤問題です。捕集用ろ紙・吸引ポンプ・顕微鏡・計測器具・試薬のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この測定は、空気中の石綿繊維をろ紙に捕集し、位相差顕微鏡で1本ずつ数える方法です。要は「繊維を数えるために透明化できるろ紙」が必要で、ここに引っかけがあります。位相差顕微鏡・アイピースグレイティクル・透明化用の試薬といった器具は正しく並んでいるので、分かれ目は捕集用ろ紙の材質です。数えるために薬品で透明にできる材質でなければならない、という視点で見抜きます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 材質が違います。捕集用ろ紙は透明化して繊維を数える必要があるためメンブレンフィルター(セルロースエステル製)を用います。「ガラス繊維製」は誤りです。 |
| (2) | ○(正しい) | ろ紙をホルダーに装着した状態で既定流量が得られる電動式吸引ポンプと流量計は、採気に必要な装置で正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 対物40倍・接眼10倍で、位相差顕微鏡として使える顕微鏡を用いる点は正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | アイピースグレイティクルは接眼レンズに装着し、繊維の大きさを計測する器具で、正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | フタル酸ジメチルとシュウ酸ジエチル、又はアセトンとトリアセチンは、ろ紙を透明化するための試薬で、正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
石綿繊維は位相差顕微鏡で1本ずつ数えます。そのためには、捕集したろ紙を薬品で透明化(クリアリング)して、繊維を光学的に見えるようにする必要があります。これができるのがメンブレンフィルター(セルロースエステル製)で、アセトン蒸気などで透明にできます。一方のガラス繊維製ろ紙は透明化できず、繊維計数には使えません。選択肢(1)は、この計数用ろ紙の材質を取り違えた誤りです。孔径0.8 µmや直径47 mmといった数値は正しくても、材質がガラス繊維とされている時点で不適です。
覚え方
- 石綿計数の捕集ろ紙はメンブレン(セルロースエステル製)。透明化して数える。
- 数える器具は位相差顕微鏡+アイピースグレイティクル。
- 透明化の試薬(アセトン・トリアセチン等)とセットで覚える。ガラス繊維は数えられない。
理解度チェック
石綿繊維の計数に使う捕集用ろ紙の材質は?
メンブレンフィルター(セルロースエステル製)です。薬品で透明化して位相差顕微鏡で数えるため、ガラス繊維製は使えません。
アセトンやトリアセチンなどの試薬は何のために使う?
捕集したろ紙を透明化(クリアリング)し、繊維を顕微鏡で観察・計数できるようにするためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月