令和3年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問10を解説|バグフィルターの異常
令和3年度 ばいじん・粉じん特論 問10は、バグフィルター運転中の異常の原因を推定する問題です。マノメーターの指示(ろ過抵抗)が異常に増大すると同時に、排気よりダストが漏れる現象が起きたとき、その原因を1つ選びます。
この問題のポイント
この問題は「原因は1つだけ」という条件が効きます。挙がった現象はろ過抵抗の増大とダスト漏れの2つで、1つの原因で両方を同時に説明できるものを選ぶのが解き方です。抵抗が上がる原因と、漏れる原因は普通は別方向なので、両方を成立させる原因は限られます。ろ布が破れれば抵抗は下がる、払い落とし過剰でも抵抗は下がる、と1つずつ向きを確かめると絞れます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の検討
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 結露でダストが固着すると抵抗は増えますが、目詰まりで漏れはむしろ起きにくく、ダスト漏れを説明できません。 |
| (2) | × | 導管が詰まるとマノメーターの指示は狂いますが、実際のろ過抵抗ではなくダスト漏れとも無関係です。 |
| (3) | × | 払い落としが過剰なら付着層が減って抵抗は下がる方向で、抵抗の異常増大と食い違います。 |
| (4) | ○ | 風量過大なら圧力損失(ろ過抵抗)が増え、同時に高すぎるろ過速度でダストがろ布を突き抜けて漏れます。両方を1つで説明でき、これが原因です。 |
| (5) | × | ろ布が脱落すればダストは漏れますが、抵抗はむしろ下がるため、抵抗の異常増大と合いません。 |
選択肢(4)のポイント(ここが決め手)
風量が過大になると、まず圧力損失は流量に応じて増大し、マノメーターの指示(ろ過抵抗)が跳ね上がります。同時に、ろ過速度(ろ布を通る見かけの流速)が高くなりすぎて、いったん捕らえたダストを押し込んで突き抜けさせ、排気へ漏らしてしまいます。つまり抵抗増大とダスト漏れが同じ1つの原因(風量過大)から同時に起こる点が、この選択肢を選ぶ決め手です。ろ布破損や払い落とし過剰では抵抗が下がってしまい、条件と両立しません。
覚え方
- 風量過大=抵抗増大とダスト漏れを同時に起こす唯一の原因。
- ろ布破損・払い落とし過剰は抵抗が下がる方向。抵抗増大とは両立しない。
- 「原因は1つ」なら、複数症状を1本で説明できる選択肢を探す。
理解度チェック
Q.
ろ布が脱落した場合、ろ過抵抗はどうなる?
下がります。抵抗となる布と付着層がなくなるためです。ダスト漏れは説明できても抵抗の異常増大とは合いません。
Q.
風量過大でダストが漏れるのはなぜ?
ろ過速度が高くなりすぎて、捕らえたダストをろ布に押し込み突き抜けさせるからです。同時に圧力損失も増え、抵抗も上がります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月