令和3年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問8を解説|ろ布の表面加工法
令和3年度 ばいじん・粉じん特論 問8は、バグフィルター用ろ布の表面加工法に関する正誤問題です。コーティング・ディッピング・膜加工・平滑加工・毛焼き加工それぞれの目的と方法のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ろ布の表面加工は、ダストの払い落としやすさ(剥離性)を高めたり、捕集性や耐食性・撥水撥油性を持たせたりするために行います。ここで問われるのは加工法の名前と「何のための加工か(目的)」の対応です。とくに毛焼き加工の目的を取り違えていないかが分かれ目で、方法の説明が正しくても目的がすり替わっていれば誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | コーティング加工は剥離性の向上を目的に、樹脂をスプレー等でろ布表面に付着・乾燥させる方法で、正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | ディッピング加工は耐食性・撥水撥油性の向上を目的に、ろ材を薬液に浸漬後、乾燥固着させる方法で、正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 膜加工は捕集性・剥離性の向上を目的に、網状の薄膜を捕集側表面に張り付ける方法で、正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 平滑加工は剥離性の向上を目的に、高温の鏡面ドラムの間にフェルトろ布を通して表面を平滑に仕上げる方法で、正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 目的が違います。毛焼き加工は表面の毛羽を焼き切って平滑にし、剥離性(払い落とし性)の向上を図る方法です。「耐食性の向上」は誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
毛焼き加工は、ろ布表面に立った毛羽を焼き切って表面をなめらかにする加工です。狙いは、たまったダストがはがれ落ちやすくなる(剥離性・払い落とし性の向上)ことにあります。毛羽が残っているとダストが絡んで払い落としにくく、圧力損失が上がってしまうためです。選択肢(5)はこれを「耐食性の向上」としていますが、耐食性を受け持つのはディッピング加工などで、毛焼きの目的ではありません。方法(毛羽を焼き切る)は合っていても目的がすり替わっている、という典型の引っかけです。
覚え方
- 毛焼き・平滑・コーティング・膜=主に剥離性(払い落とし)向上系。
- 耐食性・撥水撥油性はディッピング加工の担当。
- 加工問題は「方法」より目的のすり替えを疑う。
理解度チェック
Q.
毛焼き加工の主な目的は?
剥離性(払い落とし性)の向上です。表面の毛羽を焼き切って平滑にし、ダストがはがれ落ちやすくします。耐食性が目的ではありません。
Q.
耐食性や撥水撥油性を持たせる加工はどれ?
ディッピング加工です。ろ材を薬液に浸してから乾燥固着させ、耐食性・撥水撥油性を与えます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月