令和2年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問11を解説|石綿粉じんの対策
令和2年度 ばいじん・粉じん特論 問11は、石綿(アスベスト)粉じんの一般的な対策に関する正誤問題です。集じん方式や作業別の局所排気フードの選び方について、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
石綿粉じんは飛散させないことが第一で、発生源を覆って吸い込む局所排気が基本です。フードは発生源の形や作業に合わせて、囲い形・ブース形・外付け形などを使い分けます。分かれ目は、ベルトコンベヤーなどの移送作業にどのタイプのフードが向くかで、キャノピー(天蓋)形は周囲気流の影響を受けやすく、こうした常温の移送部には不向きな点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 石綿のような微細繊維の捕集には、細かい粒子を捕らえられるバグフィルターがよく用いられます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 粉じん濃度が高い場合は、遠心力集じん装置を前処理に置いて粗い分を先に落とし、後段の負担を軽くするのが望ましい構成です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 開袋・投入・取り出しのように発生源を囲える作業には、ブース形フードで作業空間ごと吸い込む方法が使われます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | ベルトコンベヤーなどの移送作業には、発生部を囲い形やカバーで覆うのが望ましく、上方に開いたキャノピー形は周囲気流に弱く不向きです。「キャノピーフードを用いる」は誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | シート切断機のように発生源を機械ごと囲える作業には、囲い形フードが適します。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
局所排気のフードは、発生源をできるだけ囲って逃がさない形ほど効きます。キャノピー(天蓋)形は発生源の上方に開いた受け皿のようなフードで、上昇気流を受ける高温源には向きますが、常温のベルトコンベヤー移送では周囲の横風で粉じんが逃げやすく、石綿対策には不向きです。移送・搬送部は囲い形やカバーで覆うのが望ましく、選択肢(4)の「キャノピーフードを用いる」は向かないフードを挙げた誤りです。
覚え方
- フードは囲うほど強い。囲い形・ブース形>外付け・キャノピー形。
- 移送・搬送部はカバーや囲い形で覆う。キャノピー形は横風に弱く不向き。
- 石綿はバグフィルターで捕集、高濃度は遠心力集じんで前処理。
理解度チェック
Q.
ベルトコンベヤーの移送作業に向くフードは?
囲い形やカバー型です。発生部を覆って粉じんを逃がさない形が適します。上方に開いたキャノピー形は横風に弱く不向きです。
Q.
石綿の高濃度粉じんで、遠心力集じん装置はどこに置く?
前処理(一次装置)として置きます。粗い分を先に落として、後段のバグフィルターの負担を軽くするためです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月