令和2年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問7を解説|洗浄集じん装置とガス速度
令和2年度 ばいじん・粉じん特論 問7は、洗浄集じん装置の集じん性能に処理ガス速度が与える影響に関する正誤問題です。ため水式・ベンチュリスクラバー・スプレー塔・充塡塔・回転式それぞれの傾向について、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
洗浄集じんは、ガスと液滴(または液膜)を出会わせて粒子を捕まえる方式です。ベンチュリのように衝突を利用する型では基本流速が速いほど微細粒子を捕らえやすく、スプレー塔のように滞留を利用する型ではガスがゆっくりのほうが有利、と型ごとに向きが違います。分かれ目は充塡塔で、塔内のガスの流れが不均一(偏流)だと集じん率はどうなるかという点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ため水式は基本流速が大きいほど、水面をたたく勢いが増して微細ダストを捕らえやすくなります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | ベンチュリスクラバーは基本流速が大きいほど、液滴との相対速度が増して微細ダストの捕集に有利です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | スプレー塔は基本流速が小さいほど滞留時間が延び、液滴と接する機会が増えて集じん率が高くなります。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 向きが逆です。充塡塔は流れが均一なほど集じん率が高く、不均一(偏流)だと一部がショートパスして集じん率は下がります。「不均一であるほど高くなる」は誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 回転式は液ガス比が大きいほど、粒子と接する液量が増えて集じん率が高くなります。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
充塡塔は、充塡材の層にガスと液を通し、濡れた表面で粒子を捕らえる装置です。層内のガスの流れが不均一(偏流)になると、ガスが通りやすい所へ集中して短い経路(ショートパス)で抜け、濡れた表面と十分に接触しないまま出ていきます。その結果、集じん率は下がってしまいます。したがって「流れが不均一であるほど集じん率が高くなる」は向きが逆で、実際は流れが均一であるほど集じん率は高くなるのが正しい理解です。
覚え方
- 充塡塔は流れが均一なほど高集じん(偏流=ショートパスで低下)。
- 衝突利用型(ベンチュリ・ため水)は基本流速が速いほど微細粒子に有利。
- 滞留利用型(スプレー塔)はガスが遅いほど有利。液ガス比は大きいほど有利。
理解度チェック
Q.
充塡塔でガスの流れが不均一になると、集じん率はどうなる?
下がります。偏流でショートパスが生じ、濡れた表面と接触しないまま抜けるガスが増えるためです。流れは均一なほど有利です。
Q.
ベンチュリスクラバーで基本流速を大きくすると微細ダストの捕集は?
捕らえやすくなります。液滴との相対速度が増し、衝突による捕集が効きやすくなるためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月