令和2年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問4を解説|荷電粒子の移動速度
令和2年度 ばいじん・粉じん特論 問4は、電界中を移動する荷電粒子の移動速度に関する正誤問題です。クーロン力とガスの粘性抵抗力が釣り合った状態での移動速度について、正しいものを選びます。
この問題のポイント
荷電粒子は、電界から受けるクーロン力(=帯電量q×電界強度E)と、動くことで生じる粘性抵抗(ストークス抵抗)が釣り合ったところで一定速度に落ち着きます。抵抗はガスの粘度と粒子径に比例するので、移動速度は「電界強度と帯電量に比例、粒子径と粘度に反比例、カニンガム補正には比例」という形になります。分かれ目は、各因子との比例・反比例の向きを取り違えないことです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 向きが逆です。粘性抵抗が粒子径に比例して増えるため、移動速度は粒子径に反比例します。「比例する」は誤りです。 |
| (2) | ×(誤り) | 1個の粒子の力の釣り合いで決まる速度なので、周囲の粒子濃度とは直接関係しません。「反比例する」は誤りです。 |
| (3) | ×(誤り) | 粘度が大きいほど抵抗が増して動きにくくなるため、移動速度は粘度に反比例します。「比例する」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | クーロン力は帯電量q×電界強度Eです。Eが大きいほど推進力が増し速度も上がるので、移動速度は電界強度に比例します。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | カニンガムの補正係数は微小粒子で抵抗を小さく見積もる補正で、速度は補正係数に比例します。「反比例する」は誤りです。 |
選択肢(4)のポイント(ここが正解)
力の釣り合いを式にすると、クーロン力 qE と粘性抵抗(粒子径d・粘度μに比例)が等しくなり、移動速度は「qE を 粒子径と粘度に比例する抵抗で割った形」になります。分子にある電界強度Eが大きいほど推進力が増すので、移動速度はEに比例します。一方、分母にある粒子径dと粘度μが大きいほど動きにくくなるため、これらには反比例します。選択肢(1)(3)(5)はいずれも比例・反比例の向きを逆に述べた誤りで、(2)は無関係な粒子濃度を持ち込んだ誤りです。
覚え方
- 荷電粒子の移動速度は電界強度Eと帯電量qに比例。
- 粒子径d・ガス粘度μには反比例(抵抗が分母)。
- カニンガム補正係数には比例(微小粒子ほど動きやすい)。
理解度チェック
Q.
荷電粒子の移動速度は電界強度に比例する?反比例する?
比例します。推進力であるクーロン力が帯電量×電界強度で決まるため、電界を強めるほど速度は上がります。
Q.
粒子径やガス粘度が大きくなると、移動速度はどうなる?
遅くなります(反比例)。どちらも粘性抵抗を大きくする要因で、抵抗は速度を決める式の分母に入ります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月