「水生生物の保全に係る環境基準」って、どの物質が対象なの?底層DOはどの水域?で迷いませんか。対象項目と数値を整理します。
この記事の要点
水生生物の保全に係る環境基準とは、魚などの水生生物や、その餌になる生物を守るために定められた、生活環境項目の一部です。
対象は全亜鉛・ノニルフェノール・LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)と、底層溶存酸素量(底層DO)です。底層DOは2016年に湖沼・海域へ追加され、生物1類型4.0/2類型3.0/3類型2.0(mg/L以上)です。
水質の環境基準には、人の健康を守るものと、生活環境を守るものがあります。
生活環境を守る基準の中に、とくに水生生物(魚や、その餌生物)を守るための枠があります。
対象の項目と数値を見ていきます。
水生生物の保全に係る環境基準とは、水生生物とその生息・再生産の場を守るために定められた、生活環境項目の一部です。
BODやpHのような一般の生活環境項目とは別に、生き物に効く物質や酸素について基準が設けられています。
水域は、すむ生物の種類に応じて生物A・生物特Aなどの類型にあてはめられ、類型ごとに基準値が決まります。
対象は、有害な3物質と、酸素の指標である底層DOです。
| 項目 | 内容・数値の例 |
|---|---|
| 全亜鉛 | 水生生物に有害な金属。湖沼は0.03mg/L以下(類型による) |
| ノニルフェノール | 界面活性剤の分解物などに由来。水生生物に影響 |
| LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩) | 合成洗剤の成分。水生生物に影響 |
| 底層溶存酸素量(底層DO) | 底のほうの酸素。2016年に湖沼・海域へ追加 |
底層DOは、富栄養化による底層の酸素不足から生き物を守る指標です。
2016年に湖沼及び海域の環境基準として追加されました(河川ではありません)。
生物の生息状況に応じた類型ごとに、次の値が定められています。
底層DOは生物1類型4.0/2類型3.0/3類型2.0mg/L以上。1.0刻みで覚える。「3類型1.0」は誤り。
水生生物保全の環境基準は、水質概論で、対象項目や底層DOの数値・追加水域として問われます。
令和6年度 水質概論 問5では、底層DOの基準値が問われ、生物3類型は2.0mg/L以上が正しく、「1.0mg/L以上」とするのが誤りでした。
令和5年度 水質概論 問10では、環境基準項目が全亜鉛・ノニルフェノール・LASであること、底層DOが2016年に湖沼及び海域へ追加されたこと(「河川」は誤り)が問われました。
水生生物の保全に係る環境基準の対象項目を挙げよ(有害物質3つ+酸素の指標1つ)。
答え:全亜鉛・ノニルフェノール・LAS と、底層溶存酸素量(底層DO)
魚などの水生生物とその餌生物を守るための基準です。
底層DOの環境基準で、生物3類型の基準値は何mg/L以上か。
答え:2.0mg/L以上
生物1類型4.0、2類型3.0、3類型2.0mg/L以上です。「1.0」は誤りです。
底層DOは、2016年にどの水域の環境基準として追加されたか。
答え:湖沼及び海域
富栄養化で酸素不足が起きやすい滞留性の水域が対象です。「河川」は誤りです。
水生生物の保全に係る環境基準は、魚などの水生生物を守るための生活環境項目です。
対象は全亜鉛・ノニルフェノール・LASと、底層DO。底層DOは2016年に湖沼・海域へ追加され、生物1類型4.0/2類型3.0/3類型2.0mg/L以上です。
底層DOの数値と追加水域を、取り違えに注意して覚えましょう。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
底層DOの基準値と追加水域が、数値や水域を入れ替えて狙われます。
生物3類型の底層DOは2.0mg/L以上が正しく「1.0mg/L以上」は誤り、底層DOは2016年に湖沼及び海域へ追加され「河川」は誤りでした(令和6年度 問5・令和5年度 問10)。