オゾン酸化と塩素酸化の違い(残留塩素・不連続点・トリハロメタン)

エコまる

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排水の酸化処理って、オゾンと塩素で何が違うの?

排水の酸化処理は、酸化剤を加えて排水中の汚れ(有機物・色・におい・シアンなど)を分解・無害化する処理です。

代表的な酸化剤がオゾン塩素で、汚水処理特論では両者のしくみと特徴の違いが正誤問題で問われます。

どちらも酸化力で汚れを壊しますが、残留のしかたや副生成物が大きく違います。

オゾン酸化と塩素酸化の違い

まず2つの酸化剤の性格を並べます。

項目 オゾン(O₃) 塩素(Cl₂・次亜塩素酸など)
酸化力 塩素より強い オゾンより弱い
処理後の残留 分解して酸素に戻り残留しない 残留塩素として水中に残る
主な用途 有機物の分解・脱色・脱臭・殺菌 殺菌・シアンなどの酸化分解
副生成物 有機塩素化合物・トリハロメタンを生じない 有機物と反応しトリハロメタンを生じるおそれ
発生・供給 高圧無声放電で発生。原料は乾燥した空気 塩素ガスや次亜塩素酸ナトリウムを注入

いちばんの違いは、オゾンは酸化力が塩素より強く、処理後は分解して残らないという点です。

塩素剤を加えて汚れを酸化する身近な例が、シアンを酸化分解するアルカリ塩素法です。

なお、オゾンは有機物の分解や脱色には強い一方、窒素・りんの除去には用いません。窒素は硝化・脱窒などの生物処理で除きます。

塩素酸化のしくみ(遊離塩素・結合塩素・不連続点塩素処理)

塩素を水に溶かすと、酸化力をもついくつかの形に分かれます。

1つは遊離塩素で、Cl₂・次亜塩素酸(HClO)・次亜塩素酸イオン(ClO⁻)が含まれます。酸化力の主役はHClOです。

pHが上がるとCl₂は減り、pH9.5以上ではHClOはほとんど残らずClO⁻が主になります。

もう1つは結合塩素です。水中にアンモニアがあると、塩素が結びついてクロラミン(結合塩素)になります。

このアンモニアを含む水に塩素を加えていくと、残留塩素の動きが独特です。これを不連続点塩素処理(ブレークポイント処理)といいます。

不連続点塩素処理の残留塩素 塩素注入率(加えた塩素)→ 残留塩素 → 不連続点 結合塩素(クロラミン) 遊離塩素

塩素を増やすと残留塩素はいったん増えてから減り、不連続点(ブレークポイント)で底を打つ。そこを越えると遊離塩素として再び増える。

最初に増えるのは結合塩素(クロラミン)です。さらに塩素を入れるとクロラミンが分解され、残留塩素はいったん減っていきます。

その減り方が底を打つ点が不連続点で、ここを越えると分解されない遊離塩素が現れて残留塩素が再び増えていきます。

トリハロメタンに注意(塩素は生成のおそれ・オゾンは生成しない)

塩素酸化のもう1つの注意点がトリハロメタンです。

トリハロメタンは、塩素が水中のフミン質などの有機物と反応してできる消毒副生成物で、発がん性が問題視されています。

一方でオゾンは有機塩素化合物やトリハロメタンを生じません。塩素を使わないので、塩素由来の副生成物が出ないためです。

難分解性の有機物の分解や脱色をしたうえで残留も副生成物も残したくない場面では、オゾンと活性炭吸着を組み合わせた高度処理が使われます。

汚水処理特論での問われ方

オゾン・塩素それぞれの性質を入れ替える正誤問題が定番です。

令和6年度 汚水処理特論 問4では、アンモニアを含む水に塩素を入れると残留塩素が「次第に増加するが不連続点から急に減少し始める」とした記述が誤りでした。実際はいったん減って不連続点を底に再び増えるのが正しい順です。

オゾンも繰り返し出ています。令和3年度 問5では、オゾン発生機の原料として「加湿空気を用いる」とした記述が誤りで、正しくは乾燥した空気を使います(湿気はオゾン発生をさまたげます)。

令和元年度 問7では、オゾンが「塩素より酸化力が強い」「有機物と結合して有機塩素化合物を生じる心配がない」点が正しい記述として問われています。

まちがえやすいポイント

「残留塩素の増減の向き」と「トリハロメタンを作るのはどちらか」が狙われます。

不連続点塩素処理では残留塩素は増えてから減るのではなく、いったん減って不連続点を底に再び増えます。またトリハロメタンを生じるおそれがあるのは塩素で、オゾンは生じません。

理解度チェック

Q.

オゾンと塩素では、酸化力が強いのはどちらか。

オゾンです。オゾンは塩素より酸化力が強く、処理後は分解して残留しません。

Q.

アンモニアを含む水に塩素を入れていくと、残留塩素は不連続点の前後でどう動くか。

結合塩素を経ていったん減り、不連続点(ブレークポイント)で底を打って、その後再び増えます。「増えてから減る」ではありません。

Q.

トリハロメタンを生じるおそれがあるのは、オゾン酸化と塩素酸化のどちらか。

塩素酸化です。塩素が水中の有機物と反応してトリハロメタンを生じます。オゾンは生じません。

まとめ

排水の酸化処理では、オゾンは酸化力が強く残留せずトリハロメタンを生じないのに対し、塩素は遊離塩素・結合塩素に分かれ、不連続点塩素処理で残留塩素がいったん減って増え、トリハロメタンを生じるおそれがあるのが違いです。「残留塩素は減ってから増える」「トリハロメタンを作るのは塩素」の2点を押さえれば、汚水処理特論の酸化処理の問題は取りきれます。

参考

  • 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験(汚水処理特論 令和6年問4・令和3年問5・令和元年問7)・公式正答
  • オゾン処理の標準的事項(酸化力・残留性・脱色/殺菌/東京都水道局・環境用語集 EICネット 等)
  • トリハロメタン(塩素消毒による消毒副生成物・水道水質基準 総トリハロメタン0.1mg/L以下)

この記事を書いた人

公害防止管理者 独学ノート 編集部

公害防止管理者試験の用語・法令・計算を、環境省の告示や過去問に照らして、独学者の目線で整理しています。