オキシデーションディッチ法(OD法)とは(無端水路・長時間エアレーション)
エコまる
OD法って、ふつうの活性汚泥法と何が違うの?
オキシデーションディッチ法(OD法)は、浅い無端水路(環状につながった水路)を反応槽にして、ローターなどの機械式ばっ気装置で水を循環させながら曝気する処理方式です。
活性汚泥法の変法の一つで、長時間エアレーション式に分類されます。
低い負荷でゆっくり長く曝気する点が、標準活性汚泥法との大きな違いです。
OD法とは:無端水路を機械曝気で循環させる
OD法の反応槽は、長円形や環状にぐるりとつながった無端水路(無終端水路)です。
この水路の一部にローター(回転ブラシ)や縦軸型のばっ気装置などの機械式ばっ気装置を置きます。
装置が回ると、酸素を送り込む曝気と、水を押し流す流動が同時に起こり、活性汚泥と下水の混合液が水路の中を常に循環します。
標準活性汚泥法と違って、OD法では最初沈殿池を設けません。流入水をそのまま無端水路に入れて処理し、後ろに置いた最終沈殿池で処理水と汚泥を分けます。
浅い無端水路を反応槽にして、ローターなどの機械式ばっ気装置で曝気しながら水を循環させる。最初沈殿池は設けず、最終沈殿池で処理水と汚泥を分ける。
標準活性汚泥法と何が違うのか
OD法は活性汚泥法の仲間ですが、槽の形も運転条件も標準活性汚泥法とは別物です。
標準活性汚泥法は、最初沈殿池の後ろに長方形などの曝気槽を置き、散気装置で空気を吹き込みます。曝気時間は短く、BOD汚泥負荷は高めです。
これに対しOD法は、無端水路を機械式ばっ気装置で回しながら、低い負荷で長く曝気する長時間エアレーション式です。標準的な曝気時間は24〜48時間と長く取ります。
両者の違いを表で並べます。
| 項目 | 標準活性汚泥法 | オキシデーションディッチ法(OD法) |
|---|---|---|
| 反応槽の形 | 長方形などの曝気槽 | 浅い無端水路(環状) |
| 曝気のしかた | 散気装置(ブロワ)が中心 | 機械式ばっ気装置(ローター等)で曝気と流動を同時に行う |
| 最初沈殿池 | 設ける | 設けない(最終沈殿池で分離) |
| BOD汚泥負荷 | 0.2〜0.4 kg BOD/(kg MLSS・日)と高め | それより低い(低負荷運転) |
| 曝気時間 | 短い | 長い(標準的に24〜48時間) |
| 向く規模 | 大〜中規模 | 中小規模(地方・小規模の処理場) |
低負荷でゆっくり長く曝気するため、流入する水量や水質が変動しても処理水質が安定しやすく、維持管理がしやすいのがOD法の利点です。広い敷地が要る点が短所になります。
なぜ硝化・脱窒も進むのか
OD法は、有機物(BOD)の除去だけでなく、窒素を減らす硝化・脱窒も同じ水路の中で進みやすい方式です。
機械式ばっ気装置の近くは酸素が豊富な好気部になり、装置から離れた区間は酸素が乏しい無酸素部になります。
1つの水路を循環するうちに、汚泥は好気部と無酸素部を交互に通ります。好気部でアンモニアが硝酸へ変わり(硝化)、無酸素部で硝酸が窒素ガスへ変わって抜けます(脱窒)。
滞留時間(SRT)が長いことも、増殖の遅い硝化菌をしっかり保つうえで有利に働きます。
汚水処理特論での問われ方
OD法は、各種活性汚泥法の変法を比べる正誤問題で、特徴と数値の組合せが問われます。
令和7年度 汚水処理特論 問13では、OD法の標準的な曝気時間を24〜48時間とする記述が、長時間ばっ気型らしい妥当な内容として扱われました。同じ問では、標準法系のステップエアレーション法に長すぎる汚泥滞留時間を当てた記述が誤りでした。
令和4年度 問12でも、OD法を「曝気槽が環状で浅く、回転ブラシなどの機械曝気装置により曝気と流動が同時に行われ、常に槽内を循環している」と説明する正しい記述が出ています。環状・浅い・機械曝気で曝気と流動を同時、という特徴がそのまま問われる形です。
標準法やステップエアレーション法に向いた数値を、OD法の特徴とすり替える形が定番なので、方式名と運転条件の組合せに注意して読むのが要点になります。
理解度チェック
OD法の反応槽の形と、水を動かす装置は何か。
反応槽は浅い無端水路(環状の水路)です。ローターなどの機械式ばっ気装置が、曝気と流動を同時に行って混合液を循環させます。
OD法に最初沈殿池はあるか。
通常は設けません。流入水を無端水路でそのまま処理し、後ろの最終沈殿池で処理水と汚泥を分けます。
OD法で硝化・脱窒が進みやすいのはなぜか。
1つの水路の中に好気部と無酸素部ができ、汚泥が両方を交互に通るからです。SRTが長く硝化菌を保ちやすいことも有利に働きます。
まとめ
OD法は、浅い無端水路をローターなどの機械式ばっ気装置で循環させながら曝気する、活性汚泥法の長時間エアレーション式の変法です。
標準活性汚泥法より低負荷で長く曝気し、最初沈殿池を設けないこと、1つの水路で硝化・脱窒も進むことが特徴です。中小規模の処理場で多く使われます。
参考
- 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験(汚水処理特論 令和7年問13・令和4年問12)・公式正答
- 国立環境研究所 環境展望台「下水道」(オキシデーションディッチ法の定義)
- 下水処理メーカー各社の技術解説(無端水路・機械式ばっ気・硝化脱窒・適用規模の標準的事項)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
「沈殿池がない方式」と丸ごと覚えると足をすくわれます。
OD法が設けないのは最初沈殿池だけで、固液分離を行う最終沈殿池は必要です。「OD法には沈殿池が一切ない」と覚えるのは誤りです。