汚泥脱水機の違い(遠心・フィルタープレス・ベルトプレス・スクリュープレス・回転加圧)
エコまる
汚泥の脱水機って種類が多いけど、何がどう違うの?
汚泥脱水機は、処理で出た汚泥から水を絞り、容積を減らす装置です。
活性汚泥法などの生物処理で出た汚泥は水分が多く、そのままでは運搬も処分もしにくいため脱水します。
汚水処理特論では、各方式のしくみと特徴が正誤問題で問われます。
汚泥脱水機は「絞る原理」で2系統に分かれる
脱水機はたくさんありますが、水を絞る原理で見ると2系統です。
1つは圧搾型(押す力で絞る)で、フィルタープレス・スクリュープレス・ベルトプレス・回転加圧脱水機がこれにあたります。
もう1つは遠心型で、高速回転の遠心力で水を振り分ける遠心脱水機です。
脱水しやすくするため、前処理として高分子凝集剤を加えて汚泥を固まりやすくすることがあります(凝集沈殿で使う凝集剤と同じはたらきです)。
回転加圧脱水機は名前に「回転」が付くが、絞る力は遠心力ではなく圧搾。遠心力で絞るのは遠心脱水機だけ。
5つの脱水機のしくみと特徴
代表的な5方式を、原理としくみで並べます。
| 脱水機 | 絞る原理 | しくみ・特徴 |
|---|---|---|
| 遠心脱水機 | 遠心力 | 高速回転する回転体(ボウル)の遠心力で水を振り分ける。たまったケーキはスクリューコンベヤでかき出す。砂・きょう雑物で摩耗しやすい。連続運転。 |
| フィルタープレス(加圧ろ過) | 圧搾 | 加圧ポンプで各ろ過室に汚泥を押し込んで圧搾し、ろ過板を外してケーキを排出する。回分式で、低含水率のケーキが得やすい。 |
| ベルトプレス | 圧搾 | 汚泥をろ布の間に挟み、上下からロールで圧搾脱水する。連続式で、動力・運転騒音が小さい。 |
| スクリュープレス | 圧搾 | スクリューの回転でスラッジを狭まっていくケージへ送り込み、生じる圧搾圧力で脱水する。連続式。 |
| 回転加圧脱水機 | 圧搾 | 向かい合う2枚の金属円盤フィルターを低速で回し、すき間を狭めながら圧搾して水を押し出す。遠心力ではない。 |
汚水処理特論での問われ方
各方式の原理やケーキの排出方法を入れ替える正誤問題が定番です。
令和5年度 汚水処理特論 問9では、回転加圧脱水機を「高速度で回転する円盤の遠心力で脱水する」とする記述が誤りでした。回転加圧は低速回転の圧搾で、遠心力で絞るのは遠心脱水機だけです。
令和7年度 汚水処理特論 問8では、遠心脱水機のケーキ排出を「内蔵ポンプで行う」とする記述が誤りでした。実際はスクリューコンベヤなどでかき出します。
理解度チェック
回転加圧脱水機が水を絞る原理は、遠心力と圧搾のどちらか。
圧搾です。低速で回す2枚の円盤の間で汚泥を押しつぶして絞ります。遠心力で絞るのは遠心脱水機です。
遠心脱水機で、脱水したケーキを機外へ出す方法は何か。
スクリューコンベヤでかき出します。内蔵ポンプではありません。
フィルタープレスと遠心脱水機の絞る原理は、それぞれ何か。
フィルタープレスは圧搾(加圧して押し込む)、遠心脱水機は遠心力です。
まとめ
汚泥脱水機は、絞る原理で圧搾型(フィルタープレス・スクリュープレス・ベルトプレス・回転加圧)と遠心型(遠心脱水機)に分かれます。「回転加圧=低速圧搾」「遠心脱水機のケーキ排出=スクリューコンベヤ」の2点を押さえれば、汚水処理特論の脱水機の問題はほぼ取りきれます。
参考
- 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験(汚水処理特論 令和5年問9・令和7年問8)・公式正答
- 汚泥脱水の標準的事項(圧搾型/遠心型の脱水原理・脱水助剤)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
「回転」「ポンプ」という言葉に引っかけがあります。
回転加圧脱水機は低速回転+圧搾で、遠心力で絞るのではありません。また遠心脱水機のケーキ排出はスクリューコンベヤで、内蔵ポンプではありません。