令和6年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問3を解説|ガス吸収の特徴
令和6年度 大気有害物質特論 問3は、ガス吸収における処理操作の特徴に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ガス吸収は、汚染物質を含むガスを液に接触させて溶かし込む方法です。大きな界面で気液を接触させる工夫や、集じん・冷却を兼ねられること、排煙が湿って拡散しにくくなること、酸性吸収液による腐食など、長所と短所がまんべんなく問われます。引っかけの核心は吸収した汚染物質の行き先です。吸収液を循環させても汚染物質は液側にたまり続けるため、最終的な廃液処理や排水処理から逃れられません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 吸収装置はガスと液をできるだけ大きな界面で接触させるよう工夫されています。吸収を促す基本として正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 液との接触により、集じんやガスの冷却など他の操作も同時に行えます。多機能性は吸収の長所で、正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 吸収液を循環すれば排水処理や廃液処理が不要とする点が誤りです。汚染物質は液にたまり続けるため、廃液・排水の処理は避けられません。 |
| (4) | ○(正しい) | 吸収では排ガスが湿る(増湿)ため、煙突から出た後の拡散が妨げられます。短所として正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 汚染物質を溶かした吸収液が酸性になる場合、装置の腐食が問題になります。材質選定上の注意で、正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ガス吸収は、気相の汚染物質を液相へ移すだけの操作です。汚染物質そのものが消えるわけではありません。吸収液を循環して再利用しても、溶け込んだ成分は液側に蓄積し続け、やがて吸収能力が落ちます。そのため一部を抜き出して排水処理・廃液処理を行う必要があります。選択肢(3)は「循環すれば廃液処理は不要」と言い切っている点が誤りで、吸収は汚染を気相から液相へ移し替えているにすぎない、という本質を外しています。
覚え方
- ガス吸収は汚染物質を気相から液相へ移すだけ。消えはしない。
- 吸収液を循環しても汚染は蓄積 → 廃液・排水処理は必要。
- 長所=集じん・冷却を兼ねる/短所=増湿で拡散低下・酸性液で腐食。
理解度チェック
Q.
吸収液を循環すれば廃液処理は不要になりますか?
なりません。汚染物質は液側に蓄積するため、抜き出して排水処理・廃液処理を行う必要があります。
Q.
ガス吸収で排煙の拡散が妨げられるのはなぜですか?
液と接触して排ガスが増湿するためです。湿って重くなった排煙は上昇・拡散しにくくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年6月