令和2年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問5を解説|サイクロンスクラバー
令和2年度 大気有害物質特論 問5は、サイクロンスクラバーの構造と特性を説明した文中で、下線を付した箇所のうち誤っているものを選ぶ問題です。
この問題のポイント
サイクロンスクラバーは、塔内を旋回しながら上昇するガスに、中心の垂直管の噴霧孔から半径方向に液滴を吹き付けて接触させ、液滴の大部分を塔壁で捕集する洗浄集じん装置です。分かれ目は、この装置が溶けやすいガスと溶けにくいガスのどちらの吸収に向いているかです。旋回でガスと液滴の接触は増えますが、気液の接触時間は短めなので、吸収されやすい(水に溶けやすい)ガス向きです。溶けにくい(難溶性の)ガスの吸収に適していると書かれた箇所は、向き不向きを逆にしています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ガスが円筒塔内を旋回しながら上昇する、という構造どおりの正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 中心の垂直管の噴霧孔から液滴が半径方向に噴霧される、という正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 噴霧された液滴の大部分は塔壁部で捕集される、という正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | この装置を難溶性ガスの吸収に適しているとした点が誤りです。実際は水に溶けやすいガスの吸収に向いています。 |
| (5) | ○(正しい) | サイクロン径が大きくなるとガスの吸収効率は低下する、という正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
サイクロンスクラバーは旋回流で液滴とガスをよく接触させますが、装置内でガスが液と触れている時間は比較的短く、吸収の効率を高く保つには相手のガスが水に溶けやすいことが前提になります。したがって適するのは易溶性のガスです。選択肢(4)は、これを「難溶性ガスの吸収に適している」と逆に書いている点が誤りです。溶けにくいガスは液へ移りにくく、接触時間の短いこの装置では吸収しきれません。溶けやすいガス向き、という向き不向きを取り違えないよう整理します。
覚え方
- サイクロンスクラバー=溶けやすいガス(易溶性)の吸収向き、難溶性は不向き。
- 旋回流で接触は増えるが接触時間は短め=溶けやすさが効く。
- サイクロン径が大きい=旋回が弱まり吸収効率は低下。
理解度チェック
Q.
サイクロンスクラバーは、溶けやすいガスと溶けにくいガスのどちらの吸収に適する?
溶けやすい(易溶性の)ガスです。接触時間が短めなので、難溶性ガスには向きません。
Q.
サイクロン径が大きくなると吸収効率はどうなる?
低下します。旋回による接触が弱まるためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月