令和元年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問4を解説|ガス吸収装置の圧力損失
令和元年度 大気有害物質特論 問4は、液分散形ガス吸収装置の圧力損失に関する問題です。一般的な運転条件で圧力損失が最も小さいものを選びます。
この問題のポイント
液を細かい液滴にして分散させ、ガスと接触させる各装置を、圧力損失の大小で比べさせる問題です。分かれ目は、ガスの通り道に抵抗となる充塡物や高速の絞りがあるかどうかです。スプレー塔は塔内でノズルから液を噴霧するだけで、ガス側に大きな抵抗物がないので圧力損失は最も小さくなります。逆に、ガスを高速で絞って液を微粒化するベンチュリスクラバーは、その速度をつくるために圧力損失が最も大きくなります。「液分散形=どれも同程度」と考えず、抵抗の大小で並べ替えるのがポイントです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(圧力損失が最も小さい)
各選択肢の圧力損失
| 選択肢 | 圧力損失 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | 中程度 | サイクロンスクラバーは旋回流でガスと液滴を接触させるため、スプレー塔より抵抗が大きく圧力損失は中程度です。 |
| (2) | 最も小さい | スプレー塔はノズルで液を噴霧するだけでガス側に大きな抵抗物がなく、圧力損失が最も小さくなります。これが正解です。 |
| (3) | 最も大きい | ベンチュリスクラバーはガスを高速で絞って液を微粒化するため、圧力損失は最も大きくなります。最小とは正反対です。 |
| (4) | 大きめ | 充塡塔は充塡物がガスの通り道の抵抗になるため、スプレー塔より圧力損失が大きくなります。 |
| (5) | 中程度 | 十字流接触装置はガスと液を交差させて接触させる構造で、スプレー塔ほど小さくはなりません。 |
ここが分かれ目
液分散形の装置でも、圧力損失を決めているのはガス側にどれだけ抵抗があるかです。スプレー塔はガスが塔内をほぼまっすぐ通り、液滴とすれ違うだけなので抵抗が小さく、圧力損失は最小になります。対してベンチュリスクラバーは、細い絞り(スロート)でガスを高速に加速し、その勢いで液を微粒化して集じん・吸収の効率を上げる装置なので、その分圧力損失は最も大きくなります。充塡塔は充塡物、サイクロンスクラバーは旋回流が抵抗になり、いずれもスプレー塔より圧力損失は大きくなります。効率が高い装置ほど圧力損失も大きくなりやすい、という対応で覚えておくと迷いません。
覚え方
- 圧力損失が最も小さいのはスプレー塔、最も大きいのはベンチュリスクラバー。
- ガス側の抵抗(充塡物・高速の絞り)が大きいほど圧力損失も大きい。
- 高効率の装置ほど圧力損失(=動力)も大きくなりやすい。
理解度チェック
液分散形ガス吸収装置のうち、圧力損失が最も小さいのはどれ?
スプレー塔です。ノズルで液を噴霧するだけでガス側に大きな抵抗物がないため、圧力損失が最も小さくなります。
ベンチュリスクラバーの圧力損失が大きいのはなぜ?
細い絞りでガスを高速に加速して液を微粒化するためです。高い接触効率と引き換えに、圧力損失が最も大きくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月