令和4年度 公害防止管理者 大気特論 問3を解説|侵入空気量の計算
令和4年度 大気特論 問3は、重油を空気比1.20で完全燃焼させたときのSO2濃度と煙道への侵入空気量を求める計算問題です。実測245ppmが計算予測より小さい理由から、侵入空気量(重油1kg当たり)を求めます。
この問題のポイント
重油中の硫黄分から生じるSO2の「量」は燃やした時点で決まり、あとから空気が入っても増減しません。ところが煙道に外気が入り込むと、そのSO2が余分な空気で薄められ、出口での濃度(ppm)だけが下がります。つまり「本来の予測濃度」と「実測濃度」の比が、どれだけ希釈されたか=どれだけ空気が侵入したかを教えてくれます。SO2の絶対量は一定、変わるのは分母のガス量だけ、という関係が分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の判定
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 0.9 m3Nでは希釈が足りず、実測245ppmまで濃度が下がりません。 |
| (2) | × | 1.1 m3Nでも希釈量が不足し、濃度の低下が小さすぎます。 |
| (3) | × | 1.3 m3Nでは実測値まであと一歩届きません。 |
| (4) | ○ | およそ1.5 m3N。この量の空気が加わると予測濃度が245ppmまで薄まります。 |
| (5) | × | 1.7 m3Nでは希釈しすぎで、濃度が245ppmより低くなってしまいます。 |
選択肢(4)のポイント(計算の手順)
手順は次の順に組み立てます。
- まず、硫黄分0.5wt%から、重油1kgあたりのSO2発生量を出す。硫黄は燃えてすべてSO2になるので、生じるSO2の体積が定まります。
- 次に、炭素・水素・硫黄の各成分と空気比1.20から、侵入がないときの乾き燃焼ガス量を求める。
- SO2発生量を乾きガス量で割り、侵入がない場合の予測SO2濃度を出す。これは実測245ppmより高い値になります。
- SO2量は一定なので、予測濃度×(元のガス量)=実測濃度×(元のガス量+侵入空気量)の関係から侵入空気量を解く。
この式を解くと、侵入空気量は重油1kg当たりおよそ1.5 m3Nになります。ポイントは、実測濃度が下がったのはSO2が減ったからではなく分母のガス量が増えたから、と押さえることです。
覚え方
- SO2の量は一定・濃度は希釈で下がる。空気侵入は薄めるだけ。
- 侵入空気量=(予測濃度/実測濃度−1)×元の乾きガス量。
- 硫黄分→SO2量、成分+空気比→乾きガス量、の2本立てで進める。
理解度チェック
Q.
実測SO2濃度が計算予測より低かったのはなぜ?
煙道に外気が侵入し、SO2が余分な空気で希釈されたためです。SO2の量そのものは変わっていません。
Q.
侵入空気量はどんな関係式から求める?
SO2量が一定であることから、予測濃度×元のガス量=実測濃度×(元のガス量+侵入空気量)として侵入空気量を解きます。答えは約1.5 m3Nです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月