令和3年度 公害防止管理者 大気特論 問3を解説|混焼バーナーの空気比
令和3年度 大気特論 問3は、軽油とメタンを混焼するバーナーの空気比を求める計算問題です。乾き燃焼排ガス中のCO2濃度が10.5%になるときの空気比を、5つの数値から選びます。
この問題のポイント
混焼でも考え方は単一燃料と同じで、(1)理論酸素量、(2)生成するCO2量、(3)乾き燃焼排ガス量、の3つを空気比で表して結び付けます。乾き燃焼排ガスは「CO2+過剰酸素+窒素」で、空気比が大きいほど過剰空気(過剰酸素と窒素)が増えて総量がふくらみ、CO2濃度は下がります。したがってCO2濃度が10.5%になる空気比を逆算すればよく、答えは約1.18です。二つの燃料の理論酸素量とCO2生成量をそれぞれ足し合わせて一本化するのが手順の要です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 1.12では過剰空気が少なく、CO2濃度は10.5%より高く計算されます。 |
| (2) | ×(誤り) | 1.15でも計算値は10.5%にわずかに届かず、合いません。 |
| (3) | ○(正しい) | 約1.18のとき、乾き燃焼排ガス中のCO2濃度が10.5%となり一致します。 |
| (4) | ×(誤り) | 1.21では過剰空気が多く、CO2濃度は10.5%より低くなります。 |
| (5) | ×(誤り) | 1.24ではさらに希釈が進み、CO2濃度は10.5%を下回ります。 |
選択肢(3)のポイント(計算の手順)
燃料量を物質量にそろえて足し合わせます。軽油10kg/hは炭素8.5kg(約0.71kmol)と水素1.5kg(H2として約0.75kmol)、メタン30m3Nは約1.34kmolです。
- 理論酸素量=炭素0.71+水素0.375(=0.75×0.5)+メタン2.68(=1.34×2)で、合計およそ3.76kmol/h。
- 生成CO2=炭素0.71+メタン1.34で、合計およそ2.05kmol/h。
- 乾き燃焼排ガス=CO2+過剰酸素+窒素。空気比mを使い、過剰酸素は理論酸素量×(m−1)、窒素は理論空気量×0.79×mで表します。
これらを「CO2÷乾き燃焼排ガス=0.105」に当てはめて空気比mについて解くと、m≒1.18が得られます。空気比を上げるほど分母の過剰空気が増えてCO2濃度は下がる関係なので、10.5%より濃い1.12・1.15は小さすぎ、薄くなる1.21・1.24は大きすぎと判断できます。
覚え方
- 混焼は理論酸素量とCO2量を燃料ごとに足すだけ。あとは単一燃料と同じ。
- 乾き燃焼排ガス=CO2+過剰酸素+窒素。空気比が上がるほどCO2濃度は下がる。
- 水素分は燃焼で水になるので、乾き排ガスの計算には水を含めない。
理解度チェック
空気比を大きくすると、乾き燃焼排ガス中のCO2濃度はどうなる?
下がります。過剰空気(過剰酸素と窒素)が増えて排ガス総量がふくらみ、CO2が薄まるためです。
複数の燃料を混焼するとき、理論酸素量はどう求める?
各燃料の理論酸素量を計算して足し合わせます。生成するCO2量も同様に燃料ごとに求めて合算します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月