令和2年度 公害防止管理者 大気特論 問3を解説|燃料のH/Cモル比
令和2年度 大気特論 問3は、燃料を完全燃焼させたときの湿り・乾き排ガス中のCO2濃度から、可燃分中のH/Cモル比を求める計算問題です。選択肢の値からおよその値を選びます。
この問題のポイント
同じ燃焼で測っても、水分を含めた「湿り」排ガスと、水分を除いた「乾き」排ガスでは、CO2濃度が変わります。濃度が変わる理由は分母(全体量)に水分(H2O)が入るかどうかだけ。だから乾きと湿りのCO2濃度の比が、排ガス中の水分量を教えてくれます。水分の量は燃料中の水素の数で決まるので、水分量が分かればH/Cモル比にたどり着けます。ここを結び付けられるかが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(H/C≒3.0)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 1.0では水分量が小さすぎ、乾きと湿りの濃度差を説明できません。 |
| (2) | ×(誤り) | 1.5では算出される水分量が実際の濃度差より少なく、合いません。 |
| (3) | ×(誤り) | 2.0でも水分量が不足し、与えられた濃度比には届きません。 |
| (4) | ×(誤り) | 2.5では正解の値にやや届きません。手順どおり計算すると約3.0になります。 |
| (5) | ○(正しい) | 乾き・湿りの濃度から求めた水分量がC1molあたり約1.5molとなり、H/C≒3.0となります。 |
選択肢(5)のポイント(計算の手順)
炭素を1mol(CO2を1mol生じる基準)として考えます。乾き排ガスのCO2濃度が10.31 %なので、乾き排ガスの全量は 1 ÷ 0.1031 ≒ 9.70 mol。湿り排ガスのCO2濃度が8.93 %なので、湿り排ガスの全量は 1 ÷ 0.0893 ≒ 11.20 mol。両者の差 11.20 − 9.70 ≒ 1.50 mol が水分(H2O)です。水は水素2個から1個できるので、水素は 1.50 × 2 = 3.0 mol。炭素は1molですから、H/C = 3.0 ÷ 1 = 3.0 となり、選択肢(5)が正解です。乾きと湿りの濃度の逆数の差が水分量になる、という流れを押さえます。
覚え方
- CO2濃度の逆数=その排ガスの全量(CO2を1mol基準)
- 湿りの全量−乾きの全量=排ガス中の水分量
- 水分×2=水素のmol数、これをC数で割ればH/C
理解度チェック
乾きと湿りのCO2濃度が違うのはなぜ?
分母となる排ガス全量に水分(H2O)を含めるか除くかの違いだけだからです。CO2そのものの量は同じです。
求めた水分量からH/Cへどうつなぐ?
水1molは水素2molから生じるので、水分量を2倍すれば水素のmol数になります。それを炭素のmol数で割るとH/Cです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月