令和元年度 公害防止管理者 大気特論 問4を解説|石炭燃焼の空気比計算
令和元年度 大気特論 問4は、組成のわかった石炭を完全燃焼させたときの空気比を求める計算問題です。乾き燃焼ガス中の酸素濃度が4.0 %になる空気比を選びます。
この問題のポイント
乾きガス中の酸素濃度は、送り込んだ過剰空気の量を映す鏡です。過剰空気が多いほど、燃え残った酸素が排ガスに増えます。手順は、燃料組成から理論空気量A0と理論乾きガス量を出し、「乾きガス中の酸素=過剰空気中の酸素」という関係で空気比mを解くだけです。数値をていねいに拾えば、およそ1.23にたどり着きます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
計算の手順
- 燃料1 kgあたりの理論酸素量(体積):O0=22.4×(C/12+H/4+S/32−O/32)。C=0.71、H=0.048、S=0.002、O=0.09を入れると O0≒1.53 m3N/kg。
- 理論空気量:A0=O0/0.21 ≒ 7.30 m3N/kg。
- 理論乾きガス量:二酸化炭素・二酸化硫黄・空気由来の窒素・燃料由来の窒素を合計して Vd0≒7.10 m3N/kg。
- 乾きガス中の酸素は過剰空気分だけ:0.21×(m−1)×A0。これが乾きガス全体の4.0 %になるとして解くと、(m−1)×A0≒1.67、m≒1.23。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) 1.18 | ×(誤り) | 過剰空気を小さく見積もった値です。 |
| (2) 1.23 | ○(正しい) | 乾きガス中の酸素4.0 %から逆算した空気比と一致します。 |
| (3) 1.28 | ×(誤り) | 計算値より過剰空気を大きく見積もっています。 |
| (4) 1.33 | ×(誤り) | 計算値と一致しません。 |
| (5) 1.38 | ×(誤り) | 過剰空気を大きく見積もりすぎです。 |
ここが分かれ目
この計算の骨は、乾きガス中の酸素=過剰空気が持ち込んだ酸素という置き換えです。完全燃焼なので、酸素はすべて過剰分。したがって 0.21×(m−1)×A0 を乾きガス全体で割った値が、与えられた酸素濃度4.0 %に等しくなります。灰分・水分は燃焼に寄与しないので酸素計算から外し、乾きガスには水蒸気を含めない点にも注意します。ここを踏むと、空気比は約1.23と決まります。
覚え方
- 乾きガス中の酸素は過剰空気の量を映す鏡。多いほど空気比は大きい。
- 理論酸素O0=22.4×(C/12+H/4+S/32−O/32)、A0=O0/0.21。
- 灰分・水分は酸素計算に入れない。乾きガスに水蒸気は含めない。
理解度チェック
Q.
乾きガス中の酸素濃度が高いと、空気比はどうなる?
過剰空気が多いということなので、空気比も大きくなります。
Q.
乾きガス中の酸素は、どの空気に由来する?
完全燃焼なら、燃え残った酸素はすべて過剰空気に由来します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月