令和元年度 公害防止管理者 大気特論 問3を解説|酸素富化燃焼と理論排ガス量
令和元年度 大気特論 問3は、酸素富化空気による燃焼の計算問題です。酸素濃度25.0 %の富化空気で燃やしたとき、理論湿り燃焼排ガス量が通常空気のときより何 m3N/kg 減るかを求めます。
この問題のポイント
富化空気にしても、必要な酸素の量そのものは変わりません。減るのは、いっしょに持ち込む窒素の量です。通常空気は酸素21 %・窒素79 %ですが、酸素を25.0 %に高めると、同じ酸素を送るのに必要な空気が少なくて済み、余分な窒素が減ります。この窒素の減少分が、そのまま排ガス量の減少分になります。理論空気量A0を使って、窒素がどれだけ減るかを丁寧に追うのが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
計算の手順
- 通常空気(酸素21 %)での理論空気量をA0とすると、必要酸素量は 0.21 A0、持ち込む窒素は 0.79 A0。
- 酸素25.0 %の富化空気では、同じ酸素0.21 A0を送るのに必要な富化空気量は 0.21 A0 ÷ 0.25 = 0.84 A0。
- 富化空気が持ち込む窒素は 0.84 A0 − 0.21 A0 = 0.63 A0。
- 窒素の減少量は 0.79 A0 − 0.63 A0 = 0.16 A0。燃焼で生じる二酸化炭素や水蒸気は変わらないので、湿り燃焼排ガス量の減少もこの窒素分と同じ 0.16 A0。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) 0.04 A0 | ×(誤り) | 窒素の減少量を小さく見積もりすぎです。 |
| (2) 0.08 A0 | ×(誤り) | 計算値と一致しません。 |
| (3) 0.12 A0 | ×(誤り) | 計算値と一致しません。 |
| (4) 0.16 A0 | ○(正しい) | 窒素の減少量 0.79 A0−0.63 A0=0.16 A0 と一致します。 |
| (5) 0.20 A0 | ×(誤り) | 減少量を大きく見積もりすぎです。 |
ここが分かれ目
ポイントは、酸素の量は同じで、窒素だけが減るという点です。通常空気1に対し酸素は0.21、窒素は0.79。酸素濃度を0.25に高めると、同じ酸素を送るための空気量は 0.21/0.25=0.84 倍まで減り、窒素の持ち込みは 0.79 から 0.63 へ下がります。燃料側から出る二酸化炭素・水蒸気は変わらないため、排ガス量の減り分は窒素の減り分そのもの、すなわち0.16 A0です。二酸化炭素や水蒸気まで減らして考えると誤答になります。
覚え方
- 酸素富化で減るのは持ち込む窒素だけ。酸素・CO2・水蒸気は不変。
- 必要空気量は「必要酸素 ÷ 酸素濃度」。濃度が上がれば空気は減る。
- 本問の窒素減少=0.79 A0−0.63 A0=0.16 A0。
理解度チェック
Q.
酸素富化空気で燃やすと、排ガス量が減るのはなぜ?
酸素濃度が高い分、同じ酸素を送るのに必要な空気が減り、いっしょに持ち込む窒素が減るためです。
Q.
酸素25.0 %の空気で同じ酸素を送るのに必要な空気量は、通常空気の何倍?
0.21 ÷ 0.25 = 0.84 倍です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月