令和元年度 公害防止管理者 大気特論 問2を解説|液体燃料の性状
令和元年度 大気特論 問2は、各種液体燃料の性状に関する問題です。ガソリン・灯油・軽油・重油についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ガソリンから重油まで、留分ごとの沸点範囲・用途・取り扱いを整理する問題です。狙われるのはセタン価と着火性の向きです。セタン価はディーゼル燃料の着火のよさを表す指標で、値が高いほど着火性がよく、ディーゼルエンジンのノッキング(ディーゼルノック)が起こりにくくなります。「低いほど起こりにくい」と逆向きに書くと誤りになります。ガソリンのオクタン価とは意味が反対である点も混同しやすいところです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ガソリンとナフサは、ほぼ同じ沸点範囲の軽い留分です。 |
| (2) | ○(正しい) | JIS 1号灯油は、灯火用・暖房・厨房用の燃料として使われます。 |
| (3) | ×(誤り) | セタン価は値が高いほど着火性がよく、ノッキングが起こりにくくなります。向きが逆です。 |
| (4) | ○(正しい) | 軽油は灯油より重い留分で、引火点は灯油より高くなります。 |
| (5) | ○(正しい) | JIS 1種重油は粘度が低く、送油や噴霧の際に加熱を要しないことが多いです。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
セタン価は、ディーゼルエンジン用燃料の着火のよさを表す指標です。基準物質のセタン(着火しやすい)とα-メチルナフタレン(着火しにくい)を混合して尺度を作っており、セタン価が高いほど着火が速く、燃料が噴射されてから燃え始めるまでの遅れが短くなります。この着火遅れが長いと、たまった燃料が一気に燃えて衝撃的な燃焼(ディーゼルノック)になります。したがって選択肢(3)の「セタン価が低いほどノッキングが起こりにくい」は向きが逆で誤りです。ガソリンの耐ノック性を示すオクタン価とは意味が反対なので、まとめて覚えると混乱しません。
覚え方
- セタン価は高いほど着火がよくノッキングしにくい(軽油の指標)。
- ガソリンはオクタン価、軽油はセタン価。意味の向きは反対。
- 引火点は重い留分ほど高い=灯油<軽油<重油。
理解度チェック
Q.
セタン価が高いと、ディーゼルの燃焼はどうなる?
着火が速く、着火遅れが短くなるため、ノッキングが起こりにくくなります。
Q.
灯油と軽油では、引火点はどちらが高い?
より重い留分である軽油の方が高くなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月