令和元年度 公害防止管理者 大気特論 問1を解説|天然ガスの性状
令和元年度 大気特論 問1は、天然ガスの性状に関する問題です。分類・組成・発熱量・液化のしかたについての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
天然ガスは、重質炭化水素(エタン以上)を伴う湿性ガスと、ほぼメタンだけの乾性ガスに大別され、標準発熱量はおよそ40 MJ/m3N が目安です。ここで狙われるのはLNG(液化天然ガス)の作り方です。液化の主役は「加圧」ではなく「冷却」で、メタンの沸点である約−162 ℃まで冷やして液体にします。加圧して比較的高い温度で液化する、という向きに書き換えると誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 重質分を伴う湿性ガスと、ほぼメタンの乾性ガスに分けられます。 |
| (2) | ○(正しい) | 湿性ガスはメタンに加え、エタン・プロパン・ブタンなどの重質分を含みます。 |
| (3) | ○(正しい) | 乾性ガスでも二酸化炭素をわずかに含むことがあります。 |
| (4) | ○(正しい) | 標準発熱量はおよそ40 MJ/m3N で、都市ガスの目安とも整合します。 |
| (5) | ×(誤り) | LNGはほぼ常圧で約−162 ℃まで冷却して液化します。「数十気圧に加圧」「−77 ℃程度」は誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
LNGは液化天然ガスの略で、その製造は冷却が主役です。主成分メタンの沸点は約−162 ℃で、この温度まで冷やすことでほぼ常圧のまま液体になります。液化すると体積は気体の約600分の1に縮み、輸送・貯蔵に有利になります。選択肢(5)のように数十気圧に加圧して−77 ℃程度で液化するという説明は、加圧を主役に据え、冷却温度も高すぎるため誤りです。加圧で液化する燃料はLPG(プロパン・ブタン)のイメージで、天然ガス(メタン)とは液化の考え方が異なります。
覚え方
- LNGは約−162 ℃に冷やして液化。加圧が主役ではない。
- 天然ガスの標準発熱量はおよそ40 MJ/m3N。
- 湿性=エタン以上の重質分あり/乾性=ほぼメタン。
理解度チェック
Q.
LNGはどのようにして液体にする?
ほぼ常圧のまま、メタンの沸点である約−162 ℃まで冷却して液化します。加圧が主役ではありません。
Q.
天然ガスの湿性ガスと乾性ガスの違いは?
湿性ガスはエタン・プロパンなどの重質炭化水素を伴い、乾性ガスはほぼメタンからなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月