令和7年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問5を解説|NOxと低NOx燃焼
令和7年度 大気関係技術特論 問5は、NOx(窒素酸化物)と低NOx燃焼技術に関する問題です。NOxの生成や各種の抑制技術についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
燃焼で生じるNOxの成り立ちと、それを抑える燃焼技術の効き方を問う問題です。分かれ目は、燃料中の窒素分がどれだけNOxに変わるかという変換率です。燃料中の窒素化合物からできるフューエルNOxは、その多くが燃焼中に窒素(N2)へ戻るため、NOxへの変換率はそれほど高くありません。これを「80%以上がNOxに変換される」とするのが過大な引っかけです。固定発生源のNOxは大部分がNO、二段燃焼はサーマル・フューエル双方に有効、低空気比燃焼は省エネにもなる、といった記述は実際どおりです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 固定発生源で生成されるNOxは、大部分がNO(一酸化窒素)です。 |
| (2) | ×(誤り) | 燃料中窒素の多くは燃焼中にN2へ戻り、NOxへの変換率は高くありません。80%以上は過大です。 |
| (3) | ○(正しい) | 低硫黄重油は窒素分も少ない傾向があり、フューエルNOxの低減に役立ちます。 |
| (4) | ○(正しい) | 二段燃焼は燃焼域の酸素と温度を抑え、サーマルNOx・フューエルNOxの双方に効果があります。 |
| (5) | ○(正しい) | 低空気比燃焼は余分な空気の加熱を減らすため、NOx抑制と同時に省エネにもなります。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
フューエルNOxは、燃料に含まれる窒素化合物が燃焼中に酸化されて生じます。ただし燃料中の窒素分は、燃焼場の条件しだいで一部がNOxになり、残りの多くは無害な窒素(N2)へ戻ります。このため燃料窒素からNOxへの変換率は一般に高くなく、条件によって大きく変わるものの「80%以上がNOxに変換される」とするのは過大です。だからこそ、二段燃焼のように燃焼初期の酸素を抑える手法で、窒素分をN2側へ誘導してフューエルNOxを下げられます。
覚え方
- 固定発生源のNOxは大部分がNO。大気中で一部がNO2へ。
- 燃料窒素のNOx変換率は高くない(多くはN2へ戻る)。「大半が変換」は過大。
- 二段燃焼=サーマル・フューエル両方に効く。低空気比燃焼=NOx減+省エネ。
理解度チェック
燃料中の窒素分は、その大半がNOxに変わる?
変わりません。多くは燃焼中に窒素(N2)へ戻り、NOxへの変換率はそれほど高くありません。
二段燃焼はサーマルNOx・フューエルNOxのどちらに効く?
両方に効きます。燃焼初期の酸素と温度を抑えることで、サーマルNOx・フューエルNOxの双方を低減できます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月