令和7年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問4を解説|水酸化マグネシウムスラリー吸収法
令和7年度 大気関係技術特論 問4は、排煙脱硫法の一つ水酸化マグネシウムスラリー吸収法に関する下線部問題です。吸収剤の性質や生成する塩の挙動を述べた文の下線部のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
吸収剤の液性、毒性や腐食性の有無、コスト、生成するマグネシウム塩の溶解度とスケーリングの関係が、正しい向きで書かれているかを一つずつ確かめる問題です。分かれ目はコストの記述です。水酸化マグネシウム系の吸収剤は、排煙脱硫で広く使われる石灰石(石灰系吸収剤)と比べると高価で、これが本法の弱点の一つです。ここを「石灰石よりも安価」と読ませるのが下線部に仕込まれた誤りで、価格の高低が逆になっています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢(下線部)の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 吸収剤の液性についての下線部で、弱アルカリ性という記述は妥当です。 |
| (2) | ○(正しい) | 毒性・腐食性がほとんどないという扱いやすさの記述は妥当です。 |
| (3) | ×(誤り) | 石灰石との価格比較の下線部。水酸化マグネシウム系吸収剤は石灰石より高価で、向きが逆です。 |
| (4) | ○(正しい) | 生成するマグネシウム塩の溶解度が大きいという記述は妥当です。 |
| (5) | ○(正しい) | 溶解度が大きい塩はスケール化しにくく、スケーリングの心配が少ないという流れは妥当です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
排煙脱硫で最も広く使われる吸収剤は石灰石(炭酸カルシウム)で、豊富で安価なことが石灰石こう膏法の大きな利点です。これに対し水酸化マグネシウム系の吸収剤は、同じ脱硫量あたりで比べると石灰石より高価で、薬剤コストが本法の弱点になります。したがって下線部の「石灰石よりも安価である」は、価格の高低が逆で誤りです。一方、生成するマグネシウム塩は溶解度が大きく、装置内で析出して固着するスケーリングが起こりにくいという利点は正しく、コスト面の不利と扱いやすさの利点を区別して押さえます。
覚え方
- 排煙脱硫の安価な定番は石灰石。水酸化マグネシウム系は石灰石より高価。
- マグネシウム塩は溶解度が大きい=析出しにくい=スケーリングが起こりにくい。
- 下線部問題は「向き(安い高い・大きい小さい)」がすり替えられていないかを見る。
理解度チェック
水酸化マグネシウム系吸収剤と石灰石では、どちらが安価?
石灰石です。石灰石は豊富で安価な吸収剤で、水酸化マグネシウム系は石灰石より高価になります。
生成するマグネシウム塩の溶解度が大きいと、なぜスケーリングが起こりにくい?
溶けやすい塩は装置内で析出して固着しにくいためです。溶解度が小さい塩ほどスケール(固着物)になりやすくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月