令和7年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問6を解説|アンモニア接触還元法の触媒
令和7年度 大気関係技術特論 問6は、排ガス中NOxのアンモニア接触還元法(選択的接触還元・SCR)で用いる触媒に関する問題です。触媒の形状・構成・成分についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
脱硝に使う触媒が、どんな形状で、どんな成分からできているかを問う問題です。分かれ目は活性金属(活性成分)の種類です。現在主に使われるのは酸化バナジウム(V2O5)を活性成分とし、酸化チタンを担体とする触媒で、酸化タングステンなどを助剤として加えます。これを「活性金属として白金」とするのが引っかけで、白金は自動車の三元触媒などで使われる金属です。ハニカム状・プレート状の形状や、担体に活性成分を分散保持する構成は実際どおりです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 触媒の形状には、圧力損失が小さく目づまりしにくいハニカム状やプレート状が用いられます。 |
| (2) | ○(正しい) | 活性金属は担体の表面に分散して保持され、反応の場を広げています。 |
| (3) | ○(正しい) | 担体には、耐久性と分散性にすぐれた酸化チタンが用いられます。 |
| (4) | ×(誤り) | 活性成分は主に酸化バナジウムで、白金ではありません。 |
| (5) | ○(正しい) | 酸化タングステンなどを加えて、SO2からSO3への酸化を抑えています。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
排ガス脱硝のアンモニア接触還元法で現在主流の触媒は、酸化チタン(TiO2)を担体とし、活性成分として酸化バナジウム(V2O5)を分散保持したものです。さらに酸化タングステンなどを助剤に加え、SO2がSO3へ酸化されるのを抑える工夫がされています。したがって活性金属を「白金」とするのは誤りで、白金は自動車排ガスの三元触媒などで使われる貴金属です。担体(酸化チタン)と活性成分(酸化バナジウム)を取り違えないことが要点です。
覚え方
- 脱硝(アンモニア接触還元)の触媒=担体は酸化チタン、活性成分は酸化バナジウム。
- 形状はハニカム状・プレート状(圧力損失が小さく目づまりしにくい)。
- 酸化タングステンなどはSO2→SO3酸化を抑える助剤。白金は脱硝の主活性成分ではない。
理解度チェック
アンモニア接触還元法の触媒で、活性成分として主に用いられるのは?
酸化バナジウム(V2O5)です。担体の酸化チタンに分散保持して用います。
触媒に酸化タングステンなどを加えるのは何のため?
SO2からSO3への酸化を抑えるためです。SO3の生成は装置の腐食や閉塞の原因になります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月