令和5年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問11を解説|集じん装置と基本流速
令和5年度 大気関係技術特論 問11は、集じん装置の形式と基本流速の組合せに関する問題です。慣性力・遠心力・ろ過・洗浄・電気の各方式に対応する基本流速のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
集じん装置は方式ごとに設計上の基本流速(処理ガスの代表的な速度)の目安があり、慣性力・遠心力・洗浄・電気・ろ過で桁が大きく変わります。分かれ目は、ろ布の目にガスを通して捕集するバグフィルターの基本流速(ろ過速度)で、ほかの方式に比べて極端に遅い点です。ここに大きな数値を当てた組合せが紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | マルチバッフル形慣性力集じんの基本流速は毎秒数メートル級で、この範囲は妥当です。 |
| (2) | ○(正しい) | 接線流入式遠心力集じん(サイクロン)は入口速度を速くとる方式で、この程度の値になります。 |
| (3) | ×(誤り) | バグフィルターの基本流速(ろ過速度)はこれよりずっと遅く、示された値は大きすぎます。 |
| (4) | ○(正しい) | ジェットスクラバーは高速のガス流で液を巻き込む方式で、速い基本流速をとります。 |
| (5) | ○(正しい) | 乾式電気集じんは荷電粒子を電界でゆっくり集めるため、毎秒1メートル前後の低速です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
バグフィルターはろ布の目に処理ガスをこすように通してダストを捕集するため、基本流速(ろ過速度)は他方式より一桁以上も遅く、実際は毎秒数センチメートル程度のオーダーです。示された値はこれに比べて速すぎます。ろ過速度を上げすぎるとダスト層を突き抜けて捕集率が下がり、目詰まりやろ布の損傷も招きます。ほかの選択肢は各方式の速度感を正しく述べています。
覚え方
- バグフィルターの基本流速=ろ過速度で最も遅い。毎秒数センチメートル級。
- 速さの順=遠心力・洗浄(十メートル級)>慣性力(数メートル級)>電気(一メートル級)>ろ過(センチメートル級)。
- 数値を大きく盛られたバグフィルターに注意。
理解度チェック
Q.
バグフィルターの基本流速が他方式より極端に遅いのはなぜ?
ろ布の目にガスを通して捕集するため、速いとダスト層を突き抜け捕集率が下がるからです。
Q.
接線流入式遠心力集じん(サイクロン)の基本流速の目安は?
入口速度を速くとる方式で、毎秒十メートル前後と速めです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月