令和5年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問2を解説|混合ガスの燃焼計算
令和5年度 大気関係技術特論 問2は、混合ガスの燃焼計算に関する問題です。プロパンとアンモニアの混合ガスを空気比1.1で完全燃焼させたとき、乾き燃焼ガス中の二酸化炭素濃度が12%になる条件から、混合ガス中のプロパンの体積割合を求めます。
この問題のポイント
2種類の燃料を混ぜて燃やしたときの燃焼ガス組成から、もとの割合を逆算する計算です。分かれ目になるのは、乾き燃焼ガスの分母に何を入れるかです。二酸化炭素を出すのはプロパンだけですが、分母となる乾き燃焼ガスには、空気から持ち込まれる窒素・空気比による過剰酸素・アンモニアから生じる窒素まで含めます。水蒸気は乾きガスなので除きます。ここを取りこぼすと濃度がずれ、割合を誤ります。成分ごとに酸素と生成物を積み上げるのが解き方の基本です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
計算の手順
混合ガス1 molのうち、プロパンを x mol、アンモニアを (1 − x) mol とします。
- プロパンの燃焼:C3H8 + 5 O2 → 3 CO2 + 4 H2O(プロパン1 molに理論酸素5 mol、二酸化炭素3 mol)。
- アンモニアの燃焼:NH3 + 0.75 O2 → 0.5 N2 + 1.5 H2O(NOxの生成は無視、理論酸素0.75 mol、窒素0.5 mol)。
これらから、理論酸素量は O0 = 5x + 0.75(1 − x) = 4.25x + 0.75 となります。空気比1.1なので、供給酸素は 1.1 O0、うち過剰酸素は 0.1 O0、空気由来の窒素は 1.1 O0 ×(79 ÷ 21)≈ 1.1 O0 × 3.76 です。
乾き燃焼ガス(水蒸気を除く)の合計は、二酸化炭素 3x + 過剰酸素 0.1 O0 + 空気由来窒素 4.14 O0 + アンモニア由来窒素 0.5(1 − x) となります。
二酸化炭素濃度が12%という条件は、3x ÷(乾き燃焼ガス合計)= 0.12 です。これに O0 = 4.25x + 0.75 を代入して整理すると、おおよそ 0.54x ≈ 0.44 となり、x ≈ 0.8 が得られます。
よってプロパンの体積割合は約80%で、最も近いのは選択肢(5)です。
ここが分かれ目
間違えやすいのは、分母の乾き燃焼ガスにアンモニア由来の窒素や空気比による過剰酸素を入れ忘れることです。二酸化炭素はプロパンだけが出しますが、濃度の分母は燃焼ガス全体なので、これらを落とすと二酸化炭素濃度が実際より高く出てしまい、プロパンの割合を小さく見積もる誤りにつながります。また、水蒸気は乾きガスに含めない点も忘れないようにします。
覚え方
- 混合燃料の燃焼計算は成分ごとに酸素と生成物を積み上げる。
- 乾き燃焼ガスは水蒸気を除く。窒素は空気由来と燃料由来の両方。
- 空気比の過剰酸素も分母に忘れず加える。
理解度チェック
乾き燃焼ガスとは何を除いたガス?
燃焼で生じた水蒸気(水分)を除いたガスです。二酸化炭素濃度などはこの乾きガスを分母に計算します。
アンモニアが燃えると窒素はどこから出る?
アンモニア分子中の窒素が、NOxの生成を無視すれば窒素ガスになって燃焼ガスに加わります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月