令和4年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問17を解説|大気境界層の構造
令和4年度 大気関係技術特論 問17は、陸上の大気境界層の構造(自由対流・強制対流・接地安定層)に関する問題です。昼夜の対流や層の高さについての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
昼間は日射で自由対流(対流混合層)が発達して温位を均一化し、風のせん断からは強制対流が生まれます。夜間は地表面の放射冷却で接地安定層(逆転層)ができます。分かれ目は夜間の接地安定層の高さで、数十mよりも高くまで及ぶのに「せいぜい数十m」と小さく見積もった記述が紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 晴れた昼間に発達する自由対流は、平野上空で高度1km程度に達します。 |
| (2) | ○(正しい) | 自由対流による鉛直混合は、大気境界層の温位を均等化させます。 |
| (3) | ○(正しい) | 強い風の風速勾配(せん断)で作り出される乱流を強制対流といいます。 |
| (4) | ○(正しい) | 強制対流層の厚さは、一般に数百m以下です。 |
| (5) | ×(誤り) | 夜間の放射冷却でできる接地安定層は数十mにはとどまらず、より高くまで及びます。「せいぜい数十m」は高さを小さく見積もっています。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
夜間、地表面の放射冷却で作られる接地安定層(接地逆転層)は、地表付近の冷えが上方へ広がることで発達し、一般に数十mよりも高く、しばしば100mを超える高さまで及びます。選択肢(5)は、この層を「せいぜい数十m」と、実際より低く見積もっている点が誤りです。昼の自由対流(上空1km程度)や強制対流層(数百m以下)の高さと取り違えないよう、それぞれの目安を整理しておきます。
覚え方
- 昼=自由対流(混合層)で温位均一、上空1km程度。
- 風のせん断=強制対流層、厚さは数百m以下。
- 夜=放射冷却で接地安定層。数十mでは収まらない。
理解度チェック
Q.
強い風の風速勾配で作り出される乱流を何といいますか?
強制対流です。その層の厚さは一般に数百m以下です。
Q.
夜間の接地安定層は何によって作られますか?
地表面の放射冷却です。その及ぶ高さは数十mより高くなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月