令和4年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問16を解説|ダスト濃度測定の等速吸引
令和4年度 大気関係技術特論 問16は、ダスト濃度測定における吸引速度(等速吸引と非等速吸引)に関する問題です。誤差やJISの規定についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダスト濃度の測定では、排ガスの流速に合わせて引く等速吸引が原則です。吸引速度が排ガス流速とずれると、粒子の慣性の働きで採取されるダスト量が偏り、濃度に誤差が出ます。分かれ目は誤差が大きくなる粒径で、慣性の大きい大粒子ほど誤差が大きいのに、「小粒子のほうが誤差が大きい」と逆に述べた記述が紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 等速より低い流速で吸引すると、慣性の大きい大粒子が余分に取り込まれ、測定濃度は真値より大きくなります。 |
| (2) | ×(誤り) | 非等速吸引時の誤差は、慣性の大きい大粒子ほど大きくなります。小粒子のほうが大きいとするのは逆です。 |
| (3) | ○(正しい) | ガス粘度が低いほど粒子が気流に追随しにくくなり、非等速吸引時の誤差が大きくなります。 |
| (4) | ○(正しい) | 等速吸引を行う方法の一つとして、平衡形試料採取装置を用いる方法がJISに規定されています。 |
| (5) | ○(正しい) | 吸引速度が排ガス流速と異なった場合に、デービスの式で濃度を修正することはJISでは認められていません。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
非等速吸引で生じる濃度誤差は、粒子の慣性の大きさで決まります。慣性の大きい大粒子ほど気流の向きの変化に追随できず、誤差が大きくなります。逆に小粒子は気流によく乗って向きを変えられるため、誤差は小さめです。選択肢(2)は「小粒子のほうが誤差が大きい」と、大小の関係を反対に述べている点が誤りです。低流速なら濃度過大、高流速なら濃度過小という向きもあわせて押さえます。
覚え方
- 等速吸引が原則、ずれると濃度に誤差。
- 低流速で吸引=濃度過大、高流速で吸引=濃度過小。
- 誤差が大きいのは慣性の大きい大粒子・低粘度ガス。
理解度チェック
Q.
非等速吸引時、誤差が大きくなるのは大粒子と小粒子のどちらですか?
慣性の大きい大粒子です。気流の向きの変化に追随できないためです。
Q.
等速より低い流速で吸引すると、測定濃度は真値に対してどうなりますか?
大粒子が余分に取り込まれ、真値より大きくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月