令和4年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問7を解説|排ガス採取管の材質
令和4年度 大気関係技術特論 問7は、JISの排ガス試料採取方法における採取管の材質に関する問題です。塩化水素とふっ化水素のいずれの測定成分に対しても600℃で使える採取管の材質を選びます。
この問題のポイント
採取管は測定成分(腐食性ガス)と高温の両方に耐える材質でなければなりません。ここで問われるのは、塩化水素(HCl)とふっ化水素(HF)という性質の違う2つの腐食性ガスに、どちらにも600℃で耐えられる材質です。分かれ目は、ガラスやシリカガラスのようなケイ素酸化物を主とする材料はふっ化水素に侵されること、金属のステンレス鋼は高温の塩化水素で腐食しやすいことです。両方の弱点をあわせもたないのがチタンで、これが正解になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | ほうけい酸ガラスはふっ化水素に侵されるため、両成分には適しません。 |
| (2) | ×(誤り) | シリカガラスもケイ素酸化物が主で、ふっ化水素に侵されます。 |
| (3) | ×(誤り) | ステンレス鋼は高温の塩化水素で腐食しやすく、両成分には適しません。 |
| (4) | ○(正しい) | チタンは塩化水素・ふっ化水素のどちらに対しても600℃で使えます。 |
| (5) | ×(誤り) | セラミックスもケイ素酸化物を含み、ふっ化水素に侵されます。 |
選択肢(4)のポイント(なぜ正しいか)
ふっ化水素はガラスを溶かす性質で知られ、ケイ素酸化物(SiO2)を主成分とする材料――ほうけい酸ガラス・シリカガラス・多くのセラミックス――を侵します。一方、塩化水素は高温で金属を腐食させ、ステンレス鋼は塩化物による腐食に弱い側があります。チタンは表面に安定な酸化被膜をつくり、塩化水素にもふっ化水素にも600℃で耐えられるため、両方の測定成分に共通して使える材質として選ばれます。「どちらにも」という条件が、材質をチタン1つにしぼり込む決め手です。
覚え方
- ふっ化水素はガラス・シリカ・セラミックスを侵す(SiO2系はNG)。
- 塩化水素は高温でステンレス鋼を腐食させる。
- 両方に600℃で耐えるのはチタン。「どちらにも」なら金属のチタン。
理解度チェック
ふっ化水素に対してガラスやシリカが使えないのはなぜか?
ふっ化水素がケイ素酸化物(SiO2)を侵すためです。ガラス・シリカ・セラミックスはこの弱点をもちます。
塩化水素とふっ化水素の両方に600℃で使える材質は?
チタンです。両方の腐食に耐えるため、どちらの測定成分にも共通して使えます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月