令和4年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問6を解説|アンモニア接触還元法の技術的課題
令和4年度 大気関係技術特論 問6は、排煙脱硝のアンモニア接触還元法(選択的触媒還元法)の技術的課題に関する問題です。SOxによる被毒・ダストによる閉塞・摩耗・析出・リークアンモニアなどの課題のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
アンモニア接触還元法は、排ガスにアンモニアを吹き込み、触媒の上でNOxを窒素と水に還元して除く方式です。触媒を使うため、触媒が働きにくくなる要因(被毒・閉塞・摩耗)や、余ったアンモニアの扱いが技術的課題になります。分かれ目は「析出物の正体」です。排ガス中のSO3と余ったアンモニアが結びついて析出するのは酸性硫安(硫酸水素アンモニウム)で、硝酸アンモニウムではありません。ここを「硝酸アンモニウムの析出」と書いて誤らせるのが引っかけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | SOxは触媒を被毒させる要因で、技術的課題として挙げられます。 |
| (2) | ○(正しい) | ダストが触媒層に詰まる閉塞は、実際の技術的課題です。 |
| (3) | ○(正しい) | フライアッシュなどによる触媒の摩耗も、対策が必要な課題です。 |
| (4) | ×(誤り) | 析出が問題になるのは酸性硫安であり、硝酸アンモニウムではありません。 |
| (5) | ○(正しい) | 未反応で漏れるリークアンモニアの抑制は、運転上の技術的課題です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
アンモニア接触還元法では、NOxに見合う量よりアンモニアがわずかに余ることがあります。排ガス中にSO3が含まれると、この余ったアンモニアとSO3・水分が結びつき、酸性硫安(硫酸水素アンモニウム)が生成します。これは低温部で固まって析出し、触媒や下流の空気予熱器を詰まらせたり腐食させたりする原因になります。したがって析出物として課題になるのは酸性硫安であって、硝酸アンモニウムではありません。硝酸アンモニウムと取り違えている点が、この選択肢の誤りです。
覚え方
- 触媒法の課題=被毒・閉塞・摩耗・リークアンモニア。
- 析出物は「SO3+余ったアンモニア」の酸性硫安。硝酸アンモニウムではない。
- 酸性硫安は低温部で詰まり・腐食を招く。
理解度チェック
アンモニア接触還元法で析出が問題になる物質は何か?
酸性硫安(硫酸水素アンモニウム)です。SO3と余ったアンモニアが結びついて生じます。
リークアンモニアとは何が問題なのか?
反応せずに漏れ出る未反応のアンモニアのことで、これを抑えることが運転上の課題になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月