令和3年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問13を解説|障害物形式集じん装置の捕集機構
令和3年度 大気関係技術特論 問13は、障害物形式集じん装置の捕集機構に関する問題です。慣性力・遮り・拡散・重力について述べた文の下線部のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
障害物(捕集体)に向かってくる粒子を、慣性力・遮り効果・拡散・重力のどの働きで捕まえるかを整理する問題です。慣性力は大きい粒子と速い流れで、拡散は小さい粒子でよく効く、というように機構ごとに得意な条件が決まっています。分かれ目は重力による分離(沈降)速度がガスの粘度でどちらへ向かうかで、粘度が高い流れほど沈降が速くなるかのように読ませる記述が紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 慣性力による捕集は、質量の大きい粒子径の大きな粒子でよく効きます。 |
| (2) | ○(正しい) | ガス速度が大きいほど粒子は流線から外れて捕集体に当たりやすく、慣性力が有力になります。 |
| (3) | ○(正しい) | 遮り効果はガス速度が小さく、粒子が流線に沿って捕集体表面をかすめるときに効果的です。 |
| (4) | ○(正しい) | 拡散捕集は粒子径が小さいほど、また捕集体の代表寸法が小さいほど有力になります。 |
| (5) | ×(誤り) | 重力による分離速度は、ガスの粘度が大きいほど抵抗が増して小さくなります。大きくなるとした点が逆です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
重力による分離速度がガスの粘度が大きいほど大きくなるという向きが誤りです。粒子が重力で沈むときの速度は、粒子に働く重力と、まわりのガスから受ける粘性抵抗のつり合いで決まります。粘度が大きいほど抵抗が強く働くため、沈降(分離)速度はむしろ小さくなります。粘度は分子の分母側に効く量で、粘度が上がると沈降は遅くなる、という反比例の関係です。速度が大きくなると読ませるのがひっかけで、粘度と沈降速度の向きを逆にしないよう注意します。
覚え方
- 慣性力=大きい粒子・速い流れで有力。拡散=小さい粒子で有力。
- 重力沈降速度はガスの粘度に反比例。粘度が上がると沈降は遅くなる。
- 遮り効果はガス速度が小さいときに効きやすい。
理解度チェック
Q.
ガスの粘度が大きくなると重力による分離速度はどうなる?
粘性抵抗が強く働くため、沈降(分離)速度は小さくなります。粘度とは反比例の関係です。
Q.
慣性力による捕集が有力になる条件は?
粒子径が大きく、かつガス速度が大きいときです。粒子が流線から外れて捕集体に衝突しやすくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月