令和3年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問11を解説|ダストの特性と付着力
令和3年度 大気関係技術特論 問11は、ダストの特性に関する問題です。かさ密度・空気力学的粒子径・比表面積・付着力についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダストの物理的な性質を、密度・粒子径・表面積・電気的性質の観点からまとめて問う問題です。かさ密度と空隙率の関係、空気力学的粒子径が密度でどう変わるか、といった基本の対応を押さえておけば大半は判断できます。分かれ目は電気抵抗率と付着力の関係で、抵抗率が高いと静電気による付着力がどちらへ向かうかを取り違えさせる記述が紛れています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | かさ密度は粒子密度に「1から空隙率を引いた値」を掛けたものなので、空隙率0.5なら粒子密度の半分になります。 |
| (2) | ○(正しい) | 空気力学的粒子径は密度の平方根に比例するので、密度が2倍になれば√2倍になります。 |
| (3) | ○(正しい) | 粒子径が小さいほど単位質量あたりの表面積(比表面積)は大きく、粒子どうしが凝集しやすくなります。 |
| (4) | ×(誤り) | 見掛け電気抵抗率が高いと電荷が逃げにくく、静電気による付着力はむしろ大きくなります。小さくなるとした点が逆です。 |
| (5) | ○(正しい) | ガスの成分組成によって粒子表面の状態が変わり、付着性に影響することがあります。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
見掛け電気抵抗率が高くなると静電気による付着力が小さくなるという向きが誤りです。抵抗率が高いダストは帯びた電荷が逃げにくく、電荷がたまったままになるため、静電気による付着力はむしろ大きくなります。電気集じん装置で高抵抗率のダストが電極に強く付着して払い落としにくくなるのも同じ理屈です。抵抗率が高い→電荷が漏れにくい→付着力は強まる、という方向で覚え、大小を逆にしないように注意します。
覚え方
- かさ密度=粒子密度×(1−空隙率)。空隙率0.5なら半分。
- 空気力学的粒子径は密度の平方根に比例。密度2倍で√2倍。
- 高抵抗率のダストは電荷が逃げず、静電付着力は強まる(逆にしない)。
理解度チェック
Q.
空隙率0.5で堆積した層のかさ密度が粒子密度の1/2になるのはなぜ?
かさ密度は粒子密度に(1−空隙率)を掛けた値だからです。空隙率0.5なら1−0.5=0.5倍になります。
Q.
見掛け電気抵抗率が高いダストの静電付着力はどうなる?
電荷が逃げにくくたまったままになるため、静電気による付着力は大きくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月