1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 大気関係技術特論
  4. 令和3年
  5. > 問4 排煙脱硫と副生物

令和3年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問4を解説|排煙脱硫と副生物

令和3年度 大気関係技術特論 問4は、排煙脱硫のプロセスと主な副生物の組合せに関する問題です。方式と、その方式でできる副生物の対応のうち、誤っているものを選びます。

この問題のポイント

排煙脱硫では、排ガス中の二酸化硫黄を吸収剤で捕まえ、最後は硫黄を回収可能な化合物に変えて取り出します。石灰スラリー法なら石こう、マグネシウム法なら硫酸マグネシウムというように、吸収剤に含まれる金属と、酸化された硫黄(硫酸イオンや亜硫酸イオン)が結び付いた塩が副生物になります。分かれ目は硫黄がどの酸化数で回収されるかです。脱硫の副生物は硫酸塩・亜硫酸塩や硫酸であって、硫黄がマイナスに還元された硫化物にはならない、という点を外すと誤答します。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢各選択肢の判定解説
(1)○(正しい)石灰スラリー吸収法の主な副生物は石こう(硫酸カルシウム二水和物)で、正しい対応です。
(2)○(正しい)水酸化マグネシウムスラリー吸収法では、硫酸マグネシウムが副生物として得られます。
(3)○(正しい)炉内脱硫に水スプレーを組み合わせる方式では、亜硫酸カルシウムを含む固体が生じます。
(4)×(誤り)アルカリ溶液吸収法の副生物は硫酸ナトリウム系であり、硫化ナトリウムにはなりません。
(5)○(正しい)活性炭吸着法では、吸着した二酸化硫黄が酸化されて硫酸として回収されます。

選択肢(4)のポイント(ここが誤り)

選択肢(4)はアルカリ溶液吸収法の副生物を「硫化ナトリウム」としていますが、これは硫黄の状態がまちがっています。排煙脱硫では二酸化硫黄が吸収され、最終的に硫黄は硫酸イオンや亜硫酸イオンとして塩になります。ナトリウム系のアルカリ溶液で捕集すれば、副生物は硫酸ナトリウムや亜硫酸ナトリウムです。硫化ナトリウムは硫黄がマイナスまで還元された硫化物で、酸化的に硫黄を取り除く脱硫では生じません。副生物の名前を見て、硫酸塩・亜硫酸塩か硫化物かを取り違えないことがコツです。

覚え方

  • 脱硫の副生物は硫酸塩・亜硫酸塩・硫酸。硫化物(硫化ナトリウム等)ではない。
  • 石灰系→石こう、マグネシウム系→硫酸マグネシウム、活性炭→硫酸。
  • 吸収剤の金属+酸化された硫黄が結び付いた塩、と覚える。

理解度チェック

Q.

石灰スラリー吸収法の主な副生物は何?

石こう(硫酸カルシウム二水和物)です。回収して建材などに利用されます。

Q.

脱硫の副生物が「硫化ナトリウム」とあったら、なぜ誤り?

脱硫では硫黄が硫酸塩・亜硫酸塩として回収されるためです。硫黄がマイナスに還元された硫化物にはなりません。

令和3年 大気関係技術特論 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF