令和3年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問3を解説|燃焼で発生するすす
令和3年度 大気関係技術特論 問3は、燃焼で発生するすす(煤)に関する問題です。すすの生成しやすさや発生源についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
すすは、酸素が十分に行き渡らない場所で炭化水素が熱分解して生じる炭素の粒です。燃料中の炭素と水素の比(C/H)が大きいほど、また空気と燃料があらかじめ混ざっていない燃え方ほど、すすが出やすくなります。ここでの分かれ目は拡散燃焼と予混合燃焼の向きです。燃料と空気があらかじめ混ざっている予混合燃焼はすすが出にくく、混ざらないまま燃える拡散燃焼の方がすすを出しやすいという関係を、逆に覚えていると誤答します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 炭素と水素の比(C/H)が大きい燃料ほど炭素が余りやすく、すすが発生しやすくなります。 |
| (2) | ○(正しい) | 分解や酸化がしやすい炭化水素は速やかに燃え切りやすく、すすの発生は少なくなります。 |
| (3) | ×(誤り) | すすが出やすいのは拡散燃焼の方で、あらかじめ混ざる予混合燃焼は出にくく、向きが逆です。 |
| (4) | ○(正しい) | 重油燃焼のすすは、気相反応で生じるものと、油滴に由来するセノスフェアの両方からなります。 |
| (5) | ○(正しい) | 石炭燃焼のすすは、主に石炭中の揮発分が不完全燃焼して生じるという説明で正しいです。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
選択肢(3)は「拡散燃焼よりも予混合燃焼のほうがすすが発生しやすい」としていますが、これは向きが逆です。予混合燃焼は燃料と空気があらかじめ混ざっているため、どの場所にも酸素が届きやすく、炭素が炭素粒として残る前に燃え切ります。これに対し拡散燃焼は、燃料と空気が炎の面で出会いながら燃えるため、燃料側には酸素の乏しい領域ができ、そこで炭化水素が熱分解してすすが生じやすくなります。すすを抑えたいなら、あらかじめよく混合してから燃やすのが有利、という関係でおさえます。
覚え方
- すすが多いのは拡散燃焼、少ないのは予混合燃焼。
- C/H比が大きい燃料ほど炭素が余ってすすが出やすい。
- 重油のすす=気相反応+セノスフェア、石炭のすす=揮発分の不完全燃焼。
理解度チェック
Q.
拡散燃焼と予混合燃焼で、すすが出やすいのはどちら?
燃料と空気が混ざらないまま燃える拡散燃焼です。あらかじめ混ざる予混合燃焼は出にくくなります。
Q.
C/H比が大きい燃料は、すすが出やすい?出にくい?
出やすいです。炭素の割合が高く、燃え残った炭素が粒として残りやすいためです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月