令和2年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問6を解説|アンモニア接触還元法の脱硝
令和2年度 大気関係技術特論 問6は、アンモニア接触還元法による排煙脱硝に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
アンモニア接触還元法(選択的接触還元)は、触媒の上でアンモニアを使ってNOxを窒素と水に還元する、廃液の出ない乾式の脱硝法です。この問題の分かれ目は反応温度で、触媒がよく働くのはおよそ300〜400 ℃の中温域です。したがって「反応温度は500 ℃以上が適している」とする記述は、適温より高い温度を挙げた誤りになります。アンモニアがNOと1対1のモル比で反応する点や、尿素で代用できる点は正しい特徴です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 触媒を使う乾式のプロセスで、水を使わないため廃液は発生しません。 |
| (2) | ×(誤り) | 適した反応温度は約300〜400 ℃の中温域で、500 ℃以上が適しているわけではありません。 |
| (3) | ○(正しい) | アンモニアは排ガス中のNOと1:1のモル比で反応します。 |
| (4) | ○(正しい) | 触媒を使うため、無触媒還元法よりも一般に高い脱硝率が得られます。 |
| (5) | ○(正しい) | 還元剤としてアンモニアの代わりに尿素を用いることもできます。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
この記述は反応温度を「500 ℃以上が適している」としていますが、触媒がよく働く適温はおよそ300〜400 ℃の中温域です。温度が高すぎると触媒の劣化やアンモニアの酸化が進み、かえって脱硝がうまくいきません。数字だけを高い側にずらして誤りを作る典型的なパターンで、無触媒還元法(より高温側で働く)の温度域と取り違えないことが大切です。
覚え方
- アンモニア接触還元法=乾式・廃液なし・触媒で高い脱硝率。
- 適温はおよそ300〜400 ℃の中温域。500 ℃以上は高すぎ。
- NH3とNOは1:1で反応。還元剤は尿素でも代用可。
理解度チェック
Q.
アンモニア接触還元法で、触媒がよく働く反応温度の目安は?
およそ300〜400 ℃の中温域です。高すぎると触媒の劣化やアンモニアの酸化が進み、脱硝率が下がります。
Q.
無触媒還元法と比べたときの、この方法の利点は?
触媒を使うため、一般に高い脱硝率が得られる点です。乾式で廃液も出ません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月