令和2年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問5を解説|窒素酸化物の生成
令和2年度 大気関係技術特論 問5は、燃焼にともなう窒素酸化物(NOx)の生成に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
NOxは生成の仕組みで、空気中の窒素が高温で酸化するサーマルNOx、火炎中の炭化水素と窒素から素早くできるプロンプトNOx、燃料中の窒素分に由来するフューエルNOxに分けられます。この問題の分かれ目はプロンプトNOxの出どころで、これは火炎中の炭化水素(CH系ラジカル)が関わる現象です。したがって、炭化水素をほとんど含まない一酸化炭素や水素系燃料に「特有」とする記述は、対象を取り違えた誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 燃焼で生成するNOxは、通常その90 %以上がNOです。 |
| (2) | ○(正しい) | サーマルNOxは、主にZeldovich機構によって生成すると考えられています。 |
| (3) | ×(誤り) | プロンプトNOxは炭化水素系火炎に特有で、一酸化炭素や水素系燃料に特有ではありません。 |
| (4) | ○(正しい) | 高温域での燃焼ガス滞留時間が短いほど、サーマルNOxの生成量は少なくなります。 |
| (5) | ○(正しい) | 燃料中のN分がフューエルNOへ変わる割合は、およそ12〜50 %の範囲です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
プロンプトNOxは、火炎中で炭化水素から生じるCH系ラジカルが空気中の窒素と反応して素早くできるNOxです。つまり炭化水素をもつ燃料の火炎に特有の現象で、この記述のように一酸化炭素や水素系燃料に特有とするのは、対象が正反対です。CO(一酸化炭素)や水素は炭化水素を含まないため、プロンプトNOxの経路はもともと働きにくいのです。「炭化水素系」と「一酸化炭素・水素系」を取り違えさせるのが引っかけです。
覚え方
- NOxの3経路:サーマル(空気のN)・プロンプト(炭化水素)・フューエル(燃料のN)。
- プロンプト=炭化水素系火炎に特有。CO・水素系ではない。
- サーマルNOxは高温・長い滞留時間で増える。生成NOxの90 %以上はNO。
理解度チェック
Q.
プロンプトNOxはどんな燃料の火炎で生じやすい?
炭化水素を含む燃料の火炎です。CH系ラジカルが窒素と反応して素早くNOxができます。一酸化炭素や水素系では起きにくい経路です。
Q.
サーマルNOxを減らすには、高温域の滞留時間をどうする?
短くします。高温にとどまる時間が短いほど、空気中の窒素が酸化する量が減り、サーマルNOxは少なくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月