令和2年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問4を解説|石灰スラリー吸収法の排煙脱硫
令和2年度 大気関係技術特論 問4は、石灰スラリー吸収法による排煙脱硫に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
石灰スラリー法は、排ガスを冷却・除じんしてから吸収塔でSO2を石灰スラリーに吸収させ、酸化塔で空気を吹き込んで最終的に石こうを回収する流れが基本です。選択肢の多くはこの流れや反応を正しく述べています。分かれ目は、酸化を吸収塔の内部で行う吸収塔酸化方式の特徴です。この方式は酸化塔を別に持たないぶん装置が簡素になりますが、そのことと「石灰石の過剰率を高くする必要がある」を結び付けた記述が誤りとして混ぜてあります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 冷却除じん塔で吸収に適した50〜60 ℃へ冷やし、同時にダストや硫酸ミストを除きます。 |
| (2) | ○(正しい) | 吸収塔ではpH6程度で吸収液がSO2と反応し、亜硫酸カルシウムを生成します。 |
| (3) | ○(正しい) | 酸化塔で空気と接触させ、亜硫酸カルシウムを酸化して石こうスラリーにします。 |
| (4) | ○(正しい) | スート混合方式は、吸収塔でSO2の吸収とばいじんの除去を同時に行う方式です。 |
| (5) | ×(誤り) | 吸収塔酸化方式は装置が簡素になりますが、石灰石過剰率を高くする必要があるという条件が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
吸収塔酸化方式は、酸化塔を別に設けず吸収塔の下部で酸化まで行うため、装置が簡素になります。ここまでは正しい説明です。誤りは、それに続けて「石灰石過剰率を高くする必要がある」と付け足している点です。吸収塔内で酸化を進める方式は、むしろ石灰石(石灰)の利用効率がよく、過剰率を高くしなければならないわけではありません。「装置が簡素になる」という長所と「過剰率を高くする」という短所を無理に結び付けたところが引っかけです。
覚え方
- 基本の流れ:冷却除じん → 吸収(亜硫酸カルシウム) → 酸化(石こう)。
- 吸収でpH6程度、生成物は亜硫酸カルシウム。酸化で空気を吹き込み石こうに。
- 吸収塔酸化方式=装置が簡素。「石灰石過剰率を高くする必要」は付け足しの誤り。
理解度チェック
Q.
石灰スラリー吸収法で、酸化塔の役割は何?
吸収液に空気を接触させ、亜硫酸カルシウムを酸化して石こうスラリーに変えることです。
Q.
吸収塔酸化方式の長所は?
酸化塔を別に持たず吸収塔内で酸化まで行うため、装置が簡素になる点です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月