令和2年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問1を解説|液化石油ガス(LPG)の性質
令和2年度 大気関係技術特論 問1は、液化石油ガス(LPG)の性質に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
LPGはプロパンやブタンを主成分とする燃料で、常温でも加圧すれば容易に液化するため、液状で貯蔵・輸送できるのが特徴です。分子が大きく炭素も水素も多いため、同じ体積で比べたときの発熱量は天然ガス(メタンが主体)よりも高くなります。ここが引っかけの核心で、「単位体積当たりの発熱量が天然ガスに比べて低い」と方向を逆にした記述が混ぜてあります。空気より重く低所に滞留する点や、気化に蒸発熱が要る点は正しい性質です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 国内では家庭用が大半を占め、自動車燃料や石油化学原料、都市ガスの増熱用などにも使われます。 |
| (2) | ○(正しい) | 加圧で容易に液化し、液状のまま貯蔵・輸送できるため取り扱いやすい燃料です。 |
| (3) | ×(誤り) | 単位体積当たりの発熱量は、LPGの方が天然ガスより高いです。大小が逆になっています。 |
| (4) | ○(正しい) | プロパン・ブタンは空気より重く、漏えいすると床面など低所にたまる危険があります。 |
| (5) | ○(正しい) | 液体が気体になるときには蒸発熱(400 kJ/kg 程度)を周囲から奪います。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
この記述は「気化した際の単位体積当たりの発熱量が、天然ガスに比べて低い」としていますが、実際は逆で、LPGの方が高いです。LPGの主成分プロパン・ブタンは、天然ガスの主成分メタンより1分子に含まれる炭素・水素が多く、同じ体積を燃やしたときに出る熱量が大きくなります。都市ガスにLPGを混ぜて熱量を底上げする「増熱」に使われるのも、体積発熱量が高いからです。発熱量の大小を反対に覚えていると、この肢を正しいと誤読してしまいます。
覚え方
- LPG=プロパン・ブタン、空気より重く低所に滞留。
- 体積当たりの発熱量はLPG>天然ガス。増熱用に使われる。
- 加圧で液化し液状輸送、気化には蒸発熱(約400 kJ/kg)が必要。
理解度チェック
Q.
LPGと天然ガスで、単位体積当たりの発熱量が大きいのはどちら?
LPGです。分子が大きく炭素・水素が多いため、同じ体積での発熱量は天然ガスより高くなります。
Q.
LPGが漏えいすると、なぜ低所にたまりやすい?
プロパン・ブタンは空気より重いためです。床面やピットなど低い場所に滞留し、引火の危険が高まります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月