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令和2年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問2を解説|空気比の計算

令和2年度 大気関係技術特論 問2は、炭素87 %・水素12 %・硫黄1 %の重油を完全燃焼させ、乾き燃焼ガス中のSO2濃度が550 ppmだったときの空気比を求める計算問題です。硫黄分はすべてSO2になるものとします。

この問題のポイント

SO2は燃料中の硫黄から一定量だけ生じるので、その量は固定値として先に決まります。一方で乾き燃焼ガスの総量は空気比が大きくなるほど(過剰空気が増えるほど)膨らみます。つまり「SO2÷乾き燃焼ガス量=550 ppm」という関係を、空気比を未知数として立てて逆算するのがこの問題の骨格です。分母の乾き燃焼ガスに、過剰空気ぶんの空気と過剰の酸素を足し忘れないことが分かれ目になります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)

各選択肢の正誤

選択肢空気比判定
(1)1.16× 分母が大きすぎ、SO2濃度が550 ppmを下回ります。
(2)1.18× 550 ppmには届きません。
(3)1.20× あと一歩で、計算値とわずかに合いません。
(4)1.22○ SO2濃度がちょうど約550 ppmになります。
(5)1.24× 分母が大きくなりすぎ、550 ppmより薄くなります。

計算の手順

燃料1 kgを基準にします。まず各成分のモル数を出すと、炭素は0.87÷12=0.0725 mol、水素は0.12÷2=0.06 mol(H2として)、硫黄は0.01÷32=0.0003125 molです。

  • 理論酸素量:C分0.0725+H2分0.03(0.06×1/2)+S分0.0003125=約0.1028 mol O2
  • 理論空気量:0.1028÷0.21=約0.490 mol。
  • SO2生成量:硫黄と同じ0.0003125 mol(固定)。

空気比をmとすると、乾き燃焼ガスは「CO2+SO2+窒素(0.79×m×0.490)+過剰酸素(0.1028×(m−1))」で表せます。これを整理すると、乾き燃焼ガス量=約(0.490m−0.030) molとなります。ここで、

0.0003125 ÷ (0.490m − 0.030) = 550×10−6

を解くと、0.490m−0.030=0.568、m=約1.22が得られます。これが選択肢(4)です。

覚え方

  • 硫黄由来のSO2固定量。動くのは分母(燃焼ガス量)だけ。
  • 空気比が上がる=過剰空気でガスが薄まる→SO2濃度は下がる。
  • 分母は「窒素+過剰酸素」を足し忘れない。逆算は「SO2量÷目標濃度=乾きガス量」から。

理解度チェック

Q.

空気比を大きくすると、乾き燃焼ガス中のSO2濃度はどうなる?

下がります。過剰空気が増えて燃焼ガス全体の量が増えるため、SO2の量が同じでも濃度は薄まります。

Q.

乾き燃焼ガス量を組み立てるとき、忘れやすい項目は?

過剰空気ぶんの窒素と過剰酸素です。理論量だけで止めると分母が小さくなり、空気比を過小に見積もってしまいます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF