令和元年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問4を解説|石灰スラリー吸収法とカルシウム化合物の溶解度
令和元年度 大気関係技術特論 問4は、排煙脱硫法の一つである石灰スラリー吸収法に関係するカルシウム化合物の水に対する溶解度の表について、空欄ア~ウに入る化学式の正しい組合せを選ぶ問題です。
この問題のポイント
石灰スラリー吸収法では、炭酸カルシウム(石灰石)や水酸化カルシウム(消石灰)のスラリーで排ガス中の二酸化硫黄を吸収し、亜硫酸カルシウムを経て硫酸カルシウム(石膏)にします。この問題は、それぞれの化合物の水への溶けやすさの違いで空欄を当てはめます。分かれ目は、消石灰Ca(OH)2が比較的よく溶けること、亜硫酸カルシウムCaSO3の溶解度が非常に小さいこと、炭酸カルシウムCaCO3は二酸化炭素が加わるとやや溶けること、という溶解度の大小の順を押さえられるかどうかです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の正誤
空欄ア~ウには、溶解度の値に合うカルシウム化合物が入ります。
| 空欄 | 入る化学式 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | CaCO3 | 炭酸カルシウム。二酸化炭素が加わると重炭酸イオンになってやや溶ける(表の但し書きに対応)。 |
| イ | Ca(OH)2 | 水酸化カルシウム(消石灰)。表の中では溶解度が比較的大きい。 |
| ウ | CaSO3 | 亜硫酸カルシウム。溶解度が最も小さく、値が極端に低い欄に対応。 |
この組合せに一致するのは選択肢(1)で、他の選択肢はいずれかの化学式が値と合いません。
ここが分かれ目
決め手は3つの化合物の溶解度の大小です。消石灰 Ca(OH)2はこの中では比較的よく溶け、しかも温度が上がると溶解度が下がるという特徴があります(表のイの欄)。亜硫酸カルシウム CaSO3は溶解度がきわめて小さく、値がいちばん低い欄(ウ)に入ります。炭酸カルシウム CaCO3はもともと水にほとんど溶けませんが、表の但し書きにあるとおり二酸化炭素が加わると重炭酸イオンとなってやや溶けるため、アの欄の値に対応します。溶解度の値と、消石灰・亜硫酸カルシウム・炭酸カルシウムの溶けやすさの順を取り違えないことが正解への分かれ目です。
覚え方
- 溶解度の大小は消石灰>炭酸カルシウム>亜硫酸カルシウムの順で押さえる。
- 消石灰Ca(OH)2は温度が上がると溶解度が下がる特異な物質。
- 炭酸カルシウムは二酸化炭素があると重炭酸イオンになってやや溶ける。亜硫酸カルシウムは最も溶けにくい。
理解度チェック
石灰スラリー吸収法に出てくるカルシウム化合物のうち、水に最も溶けにくいのはどれ?
亜硫酸カルシウム CaSO3 です。溶解度がきわめて小さく、表では最も低い値の欄に対応します。
炭酸カルシウムの溶解度が二酸化炭素の存在で変わるのはなぜ?
二酸化炭素が加わると重炭酸イオンを生じ、その分だけ溶ける量が増えるためです。表の但し書きはこの条件を示しています。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月