令和7年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問10を解説|重金属処理の凝集pH
令和7年度 水質有害物質特論 問10は、重金属排水の凝集沈殿処理に関する文章のうち、下線を付した箇所の正誤を問う問題です。下線部のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
重金属は、溶けにくい水酸化物にして沈める処理が基本です。狙うpHは、その重金属の溶解度が最小になるpH。溶けにくくなるからこそ沈殿として取り除けます。引っかけの核心はまさにここで、下線部の文は凝集pHを「溶解度を最大にするpH」と書いています。溶解度が最大なら溶けたままで除去できないので、これは向きが逆で誤りです。共沈剤で処理pH領域が広がり水質が安定する、という後半は正しい内容です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各下線部の正誤
| 下線 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 凝集沈殿装置での凝集pHを9〜10とする点は、正しい内容です。 |
| (2) | ○(正しい) | 共沈剤として塩化鉄(Ⅲ)を使う場合が多い、という点は正しい内容です。 |
| (3) | ○(正しい) | 共沈剤の使用で処理pH領域が広がり、処理水質が安定する、という点は正しい内容です。 |
| (4) | ×(誤り) | 凝集pHは溶解度を最小にするpHです。「最大にするpH」とする点が誤りです。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
重金属を難溶性の水酸化物として沈めて除去する以上、狙うのは重金属がいちばん溶けにくくなるpH、つまり溶解度が最小になるpHです。溶解度が最大なら重金属は溶けたままで、沈殿として回収できません。下線部(4)は凝集pHを「溶解度を最大にするpH」と、大小を逆に書いている点が誤りで、正しくは「最小にするpH」です。共沈剤(塩化鉄(Ⅲ)など)を加えると、この除去がうまく進むpHの幅が広がり、処理水質が安定します。
覚え方
- 重金属は溶解度が最小になるpHで難溶性水酸化物として沈殿・除去。
- 共沈剤(塩化鉄(Ⅲ))で処理pH領域が広がり水質が安定。
理解度チェック
Q.
凝集沈殿で狙うのは溶解度が最大・最小のどちらのpH?
最小です。溶解度が最小になるpHで、重金属を難溶性水酸化物として沈めます。
Q.
共沈剤を使う利点は?
処理pH領域が広がり、処理水質が安定します。共沈剤には塩化鉄(Ⅲ)がよく使われます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月