令和7年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問8を解説|揮散法と揮発性
令和7年度 水質有害物質特論 問8は、揮散法(ストリッピング)で排水から分離するのが最も困難な物質を選ぶ問題です。有害物質のうち最も困難なものを選びます。
この問題のポイント
揮散法は、空気を通して汚染物質を気体側へ追い出す方法です。水より空気へ移りやすい物質(揮発性が高く、水に溶けにくい物質)ほど分離しやすく、逆に水と自由に混ざって気相へ移りにくい物質は抜けにくくなります。並んでいる塩素系溶剤はいずれも揮発性が高く揮散しやすいのに対し、選択肢(3)の1,4-ジオキサンは水と完全に混ざり合い、気相へ移りにくいため揮散法での分離が最も困難です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の揮散のしやすさ
| 選択肢 | 揮散のしやすさ | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | 揮散しやすい | 1,2-ジクロロエタンは揮発性のある塩素系溶剤で、揮散法で分離できます。 |
| (2) | 揮散しやすい | ジクロロメタンは揮発性が高く、揮散法で容易に分離できます。 |
| (3) | 最も困難 | 1,4-ジオキサンは水と完全に混ざり気相へ移りにくいため、揮散法での分離が最も困難です。 |
| (4) | 揮散しやすい | 四塩化炭素は揮発性が高く、揮散法で分離できます。 |
| (5) | 揮散しやすい | 1,1,2-トリクロロエタンは揮発性のある塩素系溶剤で、揮散法で分離できます。 |
ここが分かれ目
揮散法で分離しやすいかどうかは、その物質が水と空気のどちらへ行きたがるかで決まります。塩素系の溶剤は揮発性が高く、水に溶けにくいので、曝気やストリッピングで気相へよく移ります。一方、1,4-ジオキサンは水と自由に混ざり合い、空気側へ移ろうとする力(揮発性)が弱いため、いくら空気を通しても抜けにくいのが特徴です。そのため揮散法では分離が最も困難で、活性炭吸着や促進酸化などの別の手段が検討されます。
覚え方
- 揮散法は揮発性が高いほど抜けやすい。沸点の低い塩素系溶剤が得意。
- 1,4-ジオキサンは水と自由に混和し揮散しにくい→ストリッピング不向き。
理解度チェック
Q.
揮散法で分離しやすいのはどんな物質?
揮発性が高く水に溶けにくい物質です。塩素系溶剤などがこれにあたります。
Q.
1,4-ジオキサンが揮散法で抜けにくい理由は?
水と完全に混ざり合い、気相へ移りにくいためです。曝気しても抜けにくくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月