令和6年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問6を解説|セレン排水の処理
令和6年度 水質有害物質特論 問6は、セレン排水の処理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
セレンは難溶性の塩をつくりにくく、単純な沈殿では取りにくい相手です。実務では、セレン(Ⅳ)を水酸化鉄(Ⅲ)に一緒に取り込ませる共沈や、活性アルミナへの吸着、微生物による還元などが使われます。引っかけの核心は共沈の最適pHです。水酸化鉄(Ⅲ)へのセレン(Ⅳ)の共沈は中性付近で除去率が高く、pHが上がると除去率は下がります。選択肢(2)は「pH9以上のアルカリ性で除去率が高い」と、最適pHの向きを逆にしています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | セレンは難溶性塩をつくりにくく、単純な沈殿では処理が難しい相手です。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 水酸化鉄(Ⅲ)へのセレン(Ⅳ)共沈は中性付近で除去率が高く、アルカリ側では下がります。「pH9以上で高い」とする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | セレン(Ⅳ)の吸着材として活性アルミナが有効です。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 吸着材としての活性炭は、セレンに対しては効果が認められません。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 微生物を使ってセレン(Ⅵ)を金属セレンに還元する技術が開発されています。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
セレン(Ⅳ)を水酸化鉄(Ⅲ)に取り込ませる共沈では、鉄の水酸化物の表面にセレンが吸着して一緒に沈みます。この吸着は中性付近(およそpH6前後)でもっとも進み、pHが上がってアルカリ性になるとセレンが吸着されにくくなって除去率は低下します。つまり最適pHは中性側です。選択肢(2)は、この最適pHを「pH9以上のアルカリ性で高い」と高pH側に取り違えている点が誤りです。なお、セレン(Ⅵ)は共沈で除きにくく、いったんセレン(Ⅳ)へ還元してから処理します。
覚え方
- セレン(Ⅳ)の水酸化鉄(Ⅲ)共沈は中性付近(pH6前後)で除去率が高い。
- 共沈で除けるのはⅣ。Ⅵはいったん還元してⅣにしてから。
- 吸着材は活性アルミナが有効、活性炭は効かない。
理解度チェック
Q.
セレン(Ⅳ)の水酸化鉄(Ⅲ)共沈で除去率が高いpHは?
中性付近(pH6前後)です。アルカリ性になると除去率は下がります。
Q.
セレンの吸着材として有効なのは活性炭?活性アルミナ?
活性アルミナです。活性炭はセレンに対しては効果が認められません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月