令和4年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問1を解説|有害排水処理の基礎
令和4年度 水質有害物質特論 問1は、有害物質を含む排水の処理方針の基礎に関する問題です。重金属や有機化合物ごとに「どんな処理が向くか」を並べた選択肢から、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
有害物質は種類によって取れる手が違います。重金属は元素なので壊せず、水から分離して取り除くのが基本です。有機物は分解できるものと難分解性のものに分かれ、ベンゼンのように生物分解しやすいものもあれば、有機塩素系化合物やPCBのように酸化処理でも簡単には壊れないものもあります。引っかけの核心は、この「分解のしやすさ」の切り分けです。選択肢(4)は難分解性のグループを「容易に分解される」と述べており、そこが誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 重金属は元素なので分解して消すことはできず、排水から分離・回収する技術が中心になります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 1,4-ジオキサンは水になじみやすく、一般的な凝集沈殿法では取り除きにくい物質です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | ベンゼンは生物分解を受けやすく、比較的容易に分解できます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 有機塩素系化合物・農薬・PCBは難分解性で、塩素酸化・オゾン酸化・電解酸化でも容易には分解されません。「容易に分解される」とする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 吸着剤や有害物質を含むスラッジは有害物質が移っただけなので、後処理に注意が必要です。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
有機塩素系化合物や農薬、PCBは、分子が安定していて化学的にも生物的にも壊れにくい難分解性物質の代表です。だからこそ環境中に長く残り、規制対象になっています。選択肢(4)はこれらを塩素酸化・オゾン酸化・電解酸化で「容易に分解される」と述べていますが、実際にはこれらの酸化処理をもってしても分解は簡単ではなく、分解しにくいのが実情です。分解のしやすさで有機物を切り分けるとき、この難分解性グループを「簡単に壊せる」側に入れてしまう点が引っかけです。
覚え方
- 重金属は壊せないので分離、有機物は分解のしやすさで仕分け。
- 有機塩素系・農薬・PCBは難分解性。酸化でも「容易に」は言い過ぎ。
- ベンゼンは生物分解しやすい側、1,4-ジオキサンは凝集沈殿では取りにくい側。
理解度チェック
PCBや有機塩素系化合物は、酸化処理で容易に分解できる?
できません。これらは難分解性物質で、塩素酸化・オゾン酸化・電解酸化でも容易には分解されません。
重金属を含む排水の処理は、何が基本になる?
重金属は分解できないため、排水から分離・回収して取り除く技術が基本になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月