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令和2年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問2を解説|処理を阻害する錯体形成物質

令和2年度 水質有害物質特論 問2は、水酸化物法で重金属と錯体(キレート)をつくり、沈殿処理を邪魔してしまう物質を見分ける問題です。阻害し得る物質として誤っているものを選びます。

この問題のポイント

水酸化物法は金属イオンを水酸化物にして沈める処理なので、金属を強くつかんで溶けたままにする「錯体(キレート)」をつくる物質が共存すると処理がうまくいきません。くえん酸・アミン類・EDTAなどは金属と安定な錯体をつくる代表的な阻害物質です。分かれ目は、選択肢の中で金属と錯体をつくらない物質を1つ選ぶことで、硝酸ナトリウムは金属イオンを封鎖する配位子(キレート能)を持たないため阻害物質になりません。選択肢(3)がこれにあたります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)くえん酸は複数の配位基を持ち、金属と錯体をつくって処理を阻害します。正しい記述です。
(2)○(正しい)トリエタノールアミンはアミノ・水酸基で金属をつかみ、錯体をつくって阻害します。正しい記述です。
(3)×(誤り)硝酸ナトリウムは金属をつかむ配位基を持たず、錯体をつくらないため阻害物質になりません。
(4)○(正しい)エチレンジアミンは2つのアミノ基で金属をはさみ、錯体をつくって阻害します。正しい記述です。
(5)○(正しい)EDTAは多くの金属と極めて安定な錯体をつくる代表的なキレート剤で、強く阻害します。正しい記述です。

選択肢(3)のポイント(ここが誤り)

処理を阻害するかどうかは、その物質が金属イオンを何本もの手でつかんで溶けたまま安定させる「配位子(キレート能)」を持つかで決まります。くえん酸・トリエタノールアミン・エチレンジアミン・EDTAは、いずれも金属と結びつく官能基を複数持ち、金属を封鎖して水酸化物として沈みにくくします。これに対し硝酸ナトリウムは、ナトリウムイオンと硝酸イオンに分かれるだけで、重金属をつかむ配位基を持ちません。そのため錯体を形成せず処理を阻害しないので、阻害物質として挙げた選択肢(3)が誤りです。

覚え方

  • 阻害するのは金属をつかむ配位子(キレート)を持つ物質。くえん酸・アミン類・EDTA。
  • 硝酸ナトリウム・塩化ナトリウムなど単純な塩は錯体を作らず阻害しない。

理解度チェック

Q.

なぜ錯体形成物質は水酸化物法を阻害するのか?

金属イオンを錯体で溶けたまま安定化させ、水酸化物として沈殿しにくくするためです。

Q.

硝酸ナトリウムが阻害物質にならない理由は?

重金属をつかむ配位基(キレート能)を持たないため、錯体を形成しないからです。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF