令和2年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問1を解説|水酸化物法の基本
令和2年度 水質有害物質特論 問1は、水酸化物法による重金属排水の処理の基本的な性質に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
水酸化物法は、アルカリ剤でpHを上げて重金属を難溶性の水酸化物にし、沈殿分離する最も基本的で実用的な処理法です。多くの金属に使え、ランニングコストも低い一方、両性金属はpHを上げすぎると錯イオンになって再溶解する弱点があります。引っかけの核心は薬注制御の測り方で、水酸化物法は「pHを狙った値に保つ」処理なので、制御はpH計で行います。選択肢(3)はこれをORP計(酸化還元電位を測る計器)だとしている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | カセイソーダや消石灰などのアルカリ剤を加えてpHを上げる方法です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 多くの重金属を水酸化物として沈められる汎用性の高い方法です。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 水酸化物法の薬注制御はpH計で行うのが一般的です。ORP計とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 薬剤が安価でランニングコストが低く、実用性の高い処理法です。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 両性金属はpHを上げすぎると錯イオンになって再溶解するため注意が要ります。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
薬注制御の計器は、その処理が「何をコントロールしたいか」で決まります。水酸化物法が狙うのはpHを一定の範囲に保って金属を水酸化物にすることなので、制御にはpH計を使います。ORP計(酸化還元電位計)は、酸化や還元の進み具合を電位でつかむ計器で、シアンのアルカリ塩素法やクロム(Ⅵ)の還元など、酸化還元反応を伴う処理の制御に向いた計器です。選択肢(3)は水酸化物法の制御をORP計で行うのが一般的だと述べており、計器の役割を取り違えている点が誤りです。
覚え方
- 水酸化物法の制御はpH計。狙うのはpHだから。
- ORP計は酸化還元を見る計器。シアン・クロム還元など反応の進み具合に使う。
- 両性金属はpH上げすぎで再溶解。最適pHから外さない。
理解度チェック
Q.
水酸化物法の薬注制御に使う計器は?
pH計です。pHを狙った範囲に保つ処理なので、ORP計ではなくpH計で制御します。
Q.
水酸化物法で両性金属を扱うときの注意点は?
pHを上げすぎると錯イオンとなって再溶解するため、最適pHから外さないよう注意します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月