令和2年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問3を解説|カドミウム・鉛の処理
令和2年度 水質有害物質特論 問3は、水酸化物法によるカドミウムおよび鉛排水の処理に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
カドミウムや鉛は水酸化物法で沈殿処理できますが、強アルカリ域での再溶解や、有機酸との錯体形成による処理の難しさなど、金属ごとの性質が出題点です。引っかけの核心は「どの物質との錯体が安定で処理を邪魔するか」で、鉛はアンモニアと安定な錯体をつくりません。選択肢(5)は鉛とアンモニアの錯体が安定なため処理が困難だと述べており、ここが誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | カドミウムは強アルカリ性で水酸化物イオンと錯体をつくり再溶解しうるため、pH管理が要ります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | カドミウムと酒石酸の錯体は安定で、水酸化物法だけでは処理が難しくなります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 鉛には2価・4価の化合物があり、排水中では主に2価イオンとして存在します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 鉛は両性金属で、強アルカリ性では水酸化物イオンと錯体をつくって再溶解します。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 鉛はアンモニアと安定な錯体をつくりません。これを理由に処理困難とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
錯体をつくる相手は金属ごとに決まっており、その相性が処理の難しさを左右します。カドミウムは酒石酸などの有機酸と安定な錯体をつくるため、水酸化物法だけでは沈みにくくなります。しかし鉛はアンモニアと安定な錯体をつくらないため、アンモニアの共存を理由に処理が困難になることはありません。選択肢(5)は鉛とアンモニアの錯体が安定で処理困難と、相性を取り違えて述べている点が誤りです。錯体で処理が邪魔されるのは、その金属と本当に安定な錯体をつくる配位子が共存するときだけ、と整理します。
覚え方
- 鉛はアンモニアと安定な錯体を作らない。処理困難の理由にならない。
- カドミウムは酒石酸など有機酸と安定錯体→水酸化物法だけでは沈みにくい。
- カドミウム・鉛とも強アルカリで再溶解しうる。pHの上げすぎ注意。
理解度チェック
Q.
鉛とアンモニアの錯体は水酸化物法の処理を妨げるか?
妨げません。鉛はアンモニアと安定な錯体をつくらないため、これを理由に処理困難とはなりません。
Q.
カドミウムの処理を難しくする代表的な共存物質は?
酒石酸などの有機酸です。安定な錯体をつくり、水酸化物法だけでは沈みにくくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月