令和7年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問7を解説|返送汚泥濃度
令和7年度 水質関係技術特論 問7は、標準活性汚泥法の返送汚泥濃度を求める計算問題です。BOD汚泥負荷などの運転条件から曝気槽のMLSSを求め、返送汚泥率を使って返送汚泥濃度を選びます。
この問題のポイント
ポイントは二段構えです。まずBOD汚泥負荷の式(負荷量÷(曝気槽容積×MLSS))を逆に使い、曝気槽のMLSS濃度を求めます。次に、曝気槽まわりの汚泥のつり合いから、返送汚泥濃度は「(1+返送汚泥率)÷返送汚泥率」にMLSSを掛けた値になります。分かれ目は、求めたMLSSをそのまま答えにしてしまわず、返送汚泥率を使って返送汚泥濃度へ変換する一手を忘れないことです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
計算の手順
- BOD負荷量を出す。300 mg/L×100 m3/日=30000 g/日=30 kg/日。
- BOD汚泥負荷の式 Ls=BOD負荷量÷(曝気槽容積×MLSS) を MLSS について解く。MLSS=30÷(50×0.3)=2 kg/m3=2000 mg/L。
- 曝気槽まわりの汚泥のつり合いから、返送汚泥濃度=(1+返送汚泥率)÷返送汚泥率×MLSS。
- 返送汚泥率=1 を代入すると (1+1)÷1=2 倍。よって 2000×2=4000 mg/L。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 2000はMLSS濃度そのもので、返送汚泥濃度への変換を忘れた値です。 |
| (2) | ×(誤り) | 条件から導かれる値と合いません。 |
| (3) | ○(正しい) | MLSS2000 mg/Lを返送汚泥率1で2倍し、4000 mg/Lとなります。 |
| (4) | ×(誤り) | 条件から導かれる値と合いません。 |
| (5) | ×(誤り) | MLSSの4倍で、変換の倍率を取り違えた場合の値です。 |
ここが分かれ目
誤りやすいのは、求めたMLSS=2000 mg/Lをそのまま答えにしてしまう点です。問われているのは返送汚泥濃度で、これは曝気槽内より濃い値になります。返送汚泥率が1のときは、曝気槽まわりのつり合いから濃度はMLSSのちょうど2倍です。「MLSSを出して終わり」にせず、返送汚泥率を使った変換をもう一手かけることが正解への分かれ目です。
覚え方
- BOD汚泥負荷=負荷量÷(曝気槽容積×MLSS)。MLSSを出すときは式を逆に使う。
- 返送汚泥濃度=(1+返送汚泥率)÷返送汚泥率×MLSS。返送汚泥率1なら2倍。
- MLSSと返送汚泥濃度は別物。求めた濃度を答えにする前に「何を問われたか」を再確認。
理解度チェック
Q.
この条件での曝気槽MLSS濃度は?
2000 mg/Lです。BOD負荷量30 kg/日を、曝気槽容積50 m3×BOD汚泥負荷0.3で割って求めます。
Q.
返送汚泥率1のとき返送汚泥濃度はMLSSの何倍?
2倍です。(1+1)÷1=2となり、MLSS2000 mg/Lを2倍した4000 mg/Lが答えです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月