令和7年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問3を解説|pH調節
令和7年度 水質関係技術特論 問3は、排水処理におけるpH調節に関する問題です。薬剤の性質や金属イオンの沈殿挙動についての5つの記述のうち、正しいものを選びます。
この問題のポイント
pH調節では、使う薬剤が「強い酸・アルカリか、弱い酸・アルカリか」と、金属イオンが「どのpHで沈殿するか」の2軸が問われます。弱酸である二酸化炭素は、強酸の硫酸のようにpHを行き過ぎて下げにくく、過剰投入の事故が起きにくい特徴があります。分かれ目は、金属イオンを含む排水はふつう酸性であること、鉄はFe3+のほうが沈みやすいこと、両性元素は高すぎても低すぎても溶けてしまうこと、この3点を正しく押さえられるかです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(正しい記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 水酸化カルシウムは溶解度が小さく、炭酸ナトリウムより溶けにくい薬剤です。 |
| (2) | ○(正しい) | 二酸化炭素は弱酸で、硫酸のようにpHを下げすぎる心配が少なく安全に扱えます。 |
| (3) | ×(誤り) | 金属イオンを含む排水はふつう酸性で、アルカリを加えて水酸化物として沈殿させます。 |
| (4) | ×(誤り) | 中性付近ではFe3+のほうが溶解度は低く、Fe2+より沈みやすい状態です。 |
| (5) | ×(誤り) | 両性元素は高いpH・低いpHでは再び溶け出すため、中性付近でしか沈殿除去できません。 |
選択肢(2)のポイント(なぜ正しいか)
二酸化炭素を水に溶かすと炭酸となり、弱い酸性を示します。硫酸のような強酸は少量入れすぎるだけでpHが大きく下がり過ぎますが、弱酸の二酸化炭素はpHを行き過ぎて下げにくいため、過剰添加による事故が起きにくく取り扱いが安全です。他の肢は、金属イオン排水をアルカリ性と決めつける、Fe3+とFe2+の溶解度の大小を逆にする、両性元素がどのpHでも沈殿するとするなど、方向を取り違えさせる誤りです。
覚え方
- 弱酸の二酸化炭素は下げすぎない安全な酸。強酸の硫酸は行き過ぎに注意。
- 金属イオン排水はふつう酸性→アルカリを足して水酸化物で沈める。
- 両性元素(アルミニウム・亜鉛など)は高pH・低pHで再溶解、中性付近でだけ沈む。
理解度チェック
Q.
二酸化炭素が硫酸より安全にpHを下げられるのはなぜ?
二酸化炭素は弱酸だからです。強酸の硫酸のようにpHを下げすぎる心配が少なく、過剰投入の事故が起きにくいのです。
Q.
両性元素はどのpH域で沈殿除去できる?
中性付近です。高いpHでも低いpHでも再び溶け出すため、その範囲を外すと沈殿しません。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月