令和6年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問19を解説|冷却水系のブロー水量
令和6年度 水質関係技術特論 問19は、開放循環式冷却水系のブロー水量割合を求める計算問題です。濃縮倍数と、蒸発水量割合・飛散水量割合の値から、系外へ強制排出するブロー水量割合を計算します。
この問題のポイント
開放循環式冷却水系では、冷却塔で水が蒸発するたびに塩類が水の中に残り、循環水がだんだん濃くなります。濃縮を一定に抑えるため、濃くなった水の一部をブローとして系外に抜き、その分だけ新しい水を補給します。ここで濃縮倍数は、補給水量を「系外へ出ていく水量(ブロー+飛散)」で割った値です。分かれ目は、補給水量=蒸発+飛散+ブロー という物質収支と、濃縮倍数の定義式の2つを立てて、飛散を分母に含めたまま解く点です。飛散を見落とすと答えがずれます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
計算の手順
- 記号を置く。濃縮倍数 N=3、蒸発水量割合 E=1.0 %、飛散水量割合 W=0.2 %、求めるブロー水量割合を B とする。
- 補給水は系から出ていく分の合計に等しい。補給水量割合 M=E+W+B。
- 濃縮倍数は補給水量を系外流出(ブロー+飛散)で割った値。N=M/(B+W)=(E+B+W)/(B+W)。
- 代入する。3=(1.0+B+0.2)/(B+0.2)。
- 整理すると 3(B+0.2)=1.2+B → 3B+0.6=1.2+B → 2B=0.6 → B=0.3。
- よってブロー水量割合は 0.3 %。
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 0.3 %。物質収支と濃縮倍数の式を解いて得られる正しい値です。 |
| (2) | ×(誤り) | 0.6 %。式の整理を誤ると出やすい値で、条件には合いません。 |
| (3) | ×(誤り) | 1.0 %。蒸発水量割合をそのまま答えにした値で、ブロー水量ではありません。 |
| (4) | ×(誤り) | 2.0 %。飛散を分母から外すなど式を取り違えると出る値で、正しくありません。 |
| (5) | ×(誤り) | 3.0 %。濃縮倍数の数値をそのまま答えにした混同で、ブロー水量割合ではありません。 |
ここが分かれ目
取り違えやすいのは、濃縮倍数の分母に何を入れるかです。系から出ていくのはブローだけでなく、冷却塔から飛び散る飛散水(キャリーオーバー)もあり、これも塩類を持ち出します。だから濃縮倍数の分母はブロー+飛散で、飛散を落とすと答えがずれます。一方、蒸発水は塩類を残して水だけが抜けるので、分母には入れません。この「蒸発は分母に入れない・飛散は入れる」を守れば、式は 3=(1.0+B+0.2)/(B+0.2) となり、B=0.3 %と決まります。
覚え方
- 補給水=蒸発+飛散+ブロー。入った水は必ずどこかへ出る、で式を立てる。
- 濃縮倍数=補給水÷(ブロー+飛散)。塩を残す蒸発水は分母に入れない。
- 飛散を分母から落とすと答えがずれる。キャリーオーバーも塩の持ち出しと覚える。
理解度チェック
濃縮倍数の分母に蒸発水量を入れないのはなぜ?
蒸発では水だけが抜けて塩類は系内に残るためです。塩を持ち出して濃縮を抑えるのはブローと飛散なので、分母はブロー+飛散になります。
濃縮倍数3、蒸発1.0%、飛散0.2%のときブロー水量割合は?
0.3 %です。3=(1.0+B+0.2)/(B+0.2) を解くと 2B=0.6、B=0.3 となります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月