令和6年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問18を解説|閉鎖性海域のCOD
令和6年度 水質関係技術特論 問18は、閉鎖性海域における水質項目CODに関する問題です。総量規制や内部生産の考え方について述べた選択肢のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
東京湾や伊勢湾のような閉鎖性海域では、汚濁が溜まりやすいため、水域全体の汚濁負荷を減らす水質総量規制が設けられています。工場や河川から入るCOD(外部負荷)に対し、水域内で植物プランクトンなどが作る有機物を内部生産CODと呼びます。引っかけの核心は負荷量の傾向で、総量規制によって流入負荷量はおおむね減ってきているのに、これを「増加傾向」と逆に書いています。方向を取り違えないのがポイントです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 環境基準の確保を目途に、水域の汚濁負荷を全体で減らすため水質総量規制が制度化されました。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 海域A類型のCOD環境基準値は2 mg/L以下です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 工場や河川からのCODを外部負荷、水域内で生産された有機物を内部生産CODと呼びます。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 総量規制によって流入負荷量はおおむね減少傾向で、増加傾向とする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | CODは水系の有機物汚染を示す指標として採用されました。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
水質総量規制は、閉鎖性海域に流れ込む汚濁負荷を水域全体で計画的に削減するしくみで、実施を重ねるなかで東京湾や伊勢湾へのCOD流入負荷量はおおむね減少してきました。選択肢(4)は、この負荷量を総量規制によっても増加傾向としている点が誤りです。規制の目的は負荷を減らすことであり、傾向の向きが逆に書かれています。ただし、負荷が減っても水域内で有機物が作られる内部生産があるため、CODの環境基準の達成が伸び悩む面はあります。負荷量そのものの傾向(減少)と、達成状況の伸び悩みは別の話として切り分けて覚えます。
覚え方
- 総量規制の狙いは負荷の削減、流入負荷量は減少傾向。
- 外部負荷=工場・河川から、内部生産COD=水域内で作られる有機物。
- 海域A類型のCOD環境基準は2 mg/L以下。
- 負荷は減っても内部生産で達成が伸び悩む面がある。
理解度チェック
Q.
総量規制による東京湾などへのCOD流入負荷量の傾向は?
おおむね減少傾向です。増加傾向とするのは誤りです。
Q.
水域内でプランクトンなどが作る有機物によるCODを何と呼ぶ?
内部生産CODです。工場や河川からの分は外部負荷と呼びます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月